【おすすめ】松阪近辺(多気)で美味しい海鮮和食屋さん「八右衛門」

三重ねた
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三重県多気郡多気町という町の、山間の道沿いにポツンとある海鮮料理屋さん「八右衛門」。前から気になってたそのお店に行ってみました。
多気町というのは、あの「松阪牛」(まつさかうし、と読みます)で有名な松阪市に隣接した、山側の町です。
松阪近辺は、和牛のみならず、山の幸、海の幸、とても美味しいものに恵まれていますが、それらを料理する人達のレベルもまた、とても高いです。
ドラマ「高校生レストラン」で有名になった「県立相可高校」(多気町にある)の「食物調理科」というプロ養成集団の存在も大きいかもしれません。

ごあいさつが遅れました。こんにちは、みどるさなぎです。

めずらしく昼食時に妻と私の二人だけになったので、久しぶりに夫婦で外食しようか、という話になりました。
いつものように妻に丸投げすると、さすが引き出しをいっぱい持ってる我が妻、「気になってるんやけど、あそこどうやろ?」と。

車で30~40分ぐらいかけて連れていかれたのが、この、「八右衛門」です。
正式な名称は、「The Dining YOSA 八右衛門」というみたいです。

八右衛門の立地とアクセス

伊勢自動車道の勢和多気インターチェンジから車で8分ぐらいのところにあります。

山と田んぼと小さな集落がつづく田舎道添いにぽつんとあるお店です。
あまりに寂しいところにあるので、この地図のとおりで本当に行けるのか?と不安になりますが、道は極めてシンプルで、迷う心配はほぼありません。
伊勢自動車道の勢和多気インターを降りて、国道42号線に突き当たる信号を左折。
1~2分、車で走り、右側にコンビニがある交差点を右折します。

この交差点には、ひときわ目立つ、ニワトリの看板があるので、気づかずに通り過ぎることはまずありません。

あとは、5~6分ほど、ひたすら道なりに走るだけ。

車もあまり通らない、山間の道を走っているうちに、だんだん不安になってくるかもしれませんが、気にせずに走り続けると、左側にお店が見えてきます。

本当に、山の中にぽつん、ですが、このお店のファンの中には、名古屋からわざわざ来る人もいるらしいです。

お店の外観はこんな感じです。

八右衛門の特徴

新鮮な海の幸を、とにかく惜しげもなくドカンと出す、というお店です。

信頼のおける、海鮮の仲買人とつながってて、伊勢志摩の漁師さんから直送してもらっている、とのこと。
その日、船であがった良い魚を、そのまま運んでくるらしく、季節や日によって仕入れる魚が変わってくるそうです。

昼間はランチメニューで、魚をメインにした豪勢な定食を、その日に仕入れることができた魚に応じて、店の大将が決めています。
魚介以外のメニューもありそうですが、あんまりそういうのは売りたくなさそうな感じ?

後で話しますが、この店の大将はかなりクセのある人。こだわりの魚メニュー以外で注文するのはちょっと勇気いるかも、です。

また、僕は行ったことがありませんが、夜は居酒屋っぽく、県内の有名な日本酒と海鮮モノ中心のお料理を提供してて、それはそれで評判のようです。
でも、この立地だと、お酒を飲まない運転手役をちゃんとキープしておかないと、ここにはこれませんね。

外構の一部には一升瓶の空き瓶を並べたものが使われていました。

八右衛門の店内へ

いよいよ、店内に入っていきます。

玄関から入る前に、まず目にしたのが、「予約してから来なさい!」という旨の表示。

それを横目に店内への入り口まで進みましたが、付近に店員さんらしき人の姿はなく。
中に声をかけると、ちょっと待ってほしい旨の返事があり、しばらくすると、40台後半か50台ぐらいの、店の大将っぽい人がやってきて、アルコール消毒と検温を言われました。
さらにしばらく待つと、大将が再び出てきて店内に導いてくれましたが、その際に「次からはぜひ予約をお願いしますね」と太い声でガンっと。
「お?出だしからそれか?」と少し思いましたが、その意図は退店のときに大将が熱く語ってくれたので後ほど。

さて、中に入ると、まだかなり新しい雰囲気の、きれいな白木づくりの内装。

本来ならここで写真をとって紹介するところなのですが、何しろ、出だしに大将のきつめのキャラに圧倒されて、店内写真を撮ることもすっかり忘れてしまいました。

店内は、4人用や6人用の小綺麗なコンパート席が5つ程と、奥に20人程度を収容できそうな座席があるのはわかりました。
かなりのキャパをもった店舗なのですが、店内でみかけた店員さんは、その大将ひとりだけでした。
いくら夜ではなく、お昼のランチ営業とはいえ、さすがにこれだけの店を一人では動かせないので、奥には何人かいるのでしょうが・・・。

表にでてくるのが大将自身、というのも、もしかしてこの人のこだわり・・・?

お料理の注文、大将の押し

定番のメニュー(一品ものと飲み物のメニュー)はテーブルに設置されていましたが、少し待つと大将が、お茶と今日の定食メニューを書いたものを持ってきてくれました。

さてここからは、この大将のワンマン劇場。

「今日は少しお値段高めになってます。だけどそれは、今日のお刺身の定食には、ぜんっぶ金目鯛を使ってるからです。こんな値段で普通だせるものではないので、ホントに推しですからぜひ食べてみてもらったほうがいいです」と。

こちらも久しぶりに妻と二人のうららかな休日で、気分もリラックスなので、さほど気にもしませんが、こちらの気分の状態次第では、「ちょっと強引すぎやしませんか?」と感じるレベルのプッシュです。

さらに、「それから、もひとつ、絶対推しなのが、キジハタ!。今日は金目鯛かキジハタか。絶っ対に満足いってもらえると思いますんで。」と。

なんとも押しの強い、人間的にはかなりクセのありそうな大将。
言われるがまま、というのもどうかとも思いましたが、勢いに押され流されて、ちょっと贅沢にそれらの定食を頼むことにしました。

実は妻からは、「すごく評判がいいけど、値段はお手頃で、1000円ちょっとで満足いくみたい」と言われていたのですが、結局、大幅予算オーバーの豪勢な昼ごはんに。キジハタの炙り塩焼きの定食(3300円)とお刺身3種盛り定食(2500円)になってしまいました。

妻のお勧めで店を選んだときにはこういうパターンがなんかしょっちゅうある気がします。うまいこと騙されてる?

確かに、お品書きのはしっこのほうに小さく、エビフライ定食1000円、とか、定番メニューにはうどんとかもあって、安く食べれるメニューもあるにはあるのですが、
あの、さっきの大将の勢いで勧められたのを無視して、「エビフライ!」とはよう言わん・・・。

僕は、「せっかくそこまで言うなら」と一番高価なのを頼みましたが、1000円台でも新鮮なお魚のランチは食べられますよ。

大将を呼んで、その2品を注文したら、「いいのん選んでくれて嬉しいですわ。ぜったい間違いないから。まあ、楽しみに待っててください」と言って下がっていきました。
あまりの自信たっぷりの様子に、こうまで言われると、楽しみになってくるもので。

お料理登場

しばらくすると出てきました、出てきました。

まず。これが、お刺身定食。2500円

お刺身定食

やはりイチオシの金目鯛はダテではなく、ほんとにトロトロで豊潤でおいしい。
そして、アオリイカもコリコリだし甘いし、アジも新鮮で旨味がすごい。
実は僕は青魚のお刺身はあまり得意なほうではないのですが、このアジはもう、僕が知ってるアジのお刺身ではない、というレベル。

妻とお刺身をつついている間に、続いて出てきたのが、大将一押し(ゴリ押し?)のキジハタ。

キジハタ塩焼き定食

まずは、で、でかいっ!!!!

圧巻のサイズにまずは驚き、次に、口に運んでみると、

ふむ、あれだけ推すだけあって、これはホントに旨い!!

焼き加減も最高で、皮はパリパリ、中身はふんわり。
食べても食べても美味しいところが次々といくらでも出てきます。

もうこれ以上食べるところがない、というところまで、きれいに食べきらないとバチがあたる、と思いました。
骨と骨の間から、しっぽやエラの近くから、ヒレの根本まで、またパリパリの皮も残すことなくすべて頂きました。

もちろん、その他の付け合わせのお皿も美味しくて、白身魚の南蛮漬けとかアオサの味噌汁とかも最高でした。

件のクセ強い大将も、客である僕の反応は気にかけていて、退店のときには、「綺麗にしっかり召し上がっていただいて・・・」と感謝されたりしました。

第一印象の、「ちょっと横柄?」というのとはすっかり違ってて、ちょっと驚いてしまいました。この人、きっとほんとにこだわってて、不器用にああなるんだわ、と。

お会計 大将の熱弁

で、お会計のときに、本当においしかった旨を大将に感想を述べると、これまたクセはあるものの、とても話好きの大将。
キジハタがいかにすばらしい食材か、や、これだけの上モノは他で簡単には食べられない、ということを熱く語りはじめました。

この店、ひとりで回しているように見えるのに、こんなにしゃべってて大丈夫か?と心配にもなりました・・・

そして、冒頭の予約の件、「次からは、ちゃんと予約してから来たほうがいいんやね?」と聞いてみました。
それへの返答もまた熱く。「それにはちゃんと理由があって」から語りだしました。

大将が言うには、こんなに良い魚を手頃な値段で提供できるのは、縁あって地元の漁師さんから直接仕入れができるようになったから。
なので、どれだけの客がいつ訪れても何でも出せるような大量の仕入れがあってスタンバイできているわけではない。
事前に予約をもらえたら、ちゃんとその食材は置いておけるし、漁師さんにも欲しい魚と分量を伝えて仕入れることもできる。

最高の魚を用意できることは店にとっても幸せだし、漁師さんにもお客さんの反応や声が伝えられるので幸せを与えることができる。
お客さんと店と漁師さんと、三方が皆、幸せになれるということを目指して店をやっているのだ、と大きな太い声で熱く語ってくれました。

最初にこの熱弁を聞いても心に響かなかったと思いますが、あれだけ美味しいお料理を食べた後だけに、大将の熱弁も説得力がありました。
少し(かなり?)思ったより値の張る昼食になってしまいましたが、とても満足をもってお店を後にしました。

これだけ美味しいお店なら、ほんとに、夜に来たいよなあ。夜のメニューみたら、うわっ、我慢できん!!

このお店を使うならこの点に注意

このお店の売りはあくまで新鮮で豪華な魚なので、そのつもりで入ったほうがいいです。
魚料理以外を注文すると、どんな目にあうかわからないです(笑)。

大将がかなりクセのある人間だということは覚悟しておく必要もあります。
ネットでは、これがどうにも許せなかった人の書き込みも目にしました。
気持ちがリラックスしているときで、美味しいものが食べられたらさらに幸せ、(それが満たされたら他は別にイライラしない)というぐらいの時なら問題ありません。
自分の気持ちが殺気立っているときは、この大将とはぶつかっちゃうかも知れませんね。
(まあ、そんなときは美味しいものも美味しく感じられないからそもそもいかないほうがいいですが)

それと、クレジットカードは使えないみたいなので、そこはご注意を。

注文の仕方によっては金額が張る可能性があるので、現金をある程度用意しておかないとダメです。
もちろんこの立地なので、「となりで金おろしてくるわ!」なんてできるところではありません。

では、またっ!

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