歳のせいか、ここのところ、なんだかずっと体調がすぐれないし、肩や首もいたい。
体力もどうやら低下の一途をたどっているし、注意力や集中力も落ちてきている気がする・・・・。
そう考え始めると、だんだん気持ちも後ろ向きになってきます。
50歳を過ぎるぐらいになると、そういった悲しさを感じることもふえてくるものです。
ごあいさつが遅れました。こんにちは、みどるさなぎです!
ネガティブな気持ちと向き合えば向き合うほど、深みにはまり、どんどん暗い気分になっていきます。
そうなると、自分の生き方そのものについても自信がなくなってきます。
そんなとき、からだと心の両面からアドバイスを与えてくれて、ふんわりと元気づけられる、そんな本を紹介します。
おすすめの本 『ありのままがいちばん』(天谷保子)
ご紹介するのはこの本です。
ありのままがいちばん。
著者 : 天谷保子
WAVE出版
”からだを整えれば生き方が整い、人生が整う”(本書「はじめに」より)。
多彩な経験を積みながら長い人生を歩んできた、整体の指導者による、温かみのあるメッセージが詰まった本です。
この本はこんな人におすすめ
- 迷いに振り回されて目の前のことになかなか打ち込めない
- 行動してもすぐに不安になって止まってしまう。
- からだのあちこちに衰えを感じ始めている
- 歳のせいか、何かにひたむきに打ち込む気力がわかない
- このまま年齢を重ねてゆくことに不安を感じている
著者の「天谷保子(あまや やすこ)」さん とは?
1925年生まれで、90歳に近くなっても現役で、整体の指導にあたる、活動的な女性による著書です。
若いころは、ボランティアで始めた子供たちの保育をきっかけとし、自ら「みどり保育園」の園長として運営していました。
幼少期からのからだの不調を、整体によって取り除かれたことに感銘を受け、保育園の閉園後は、自らも整体師への道を歩みます。
本著は、著者が87歳のときに出版された本です。
全体としてはこんな本・・・ありのままの自分に自信をもって生きる
87歳という高齢でも、自分の限界を定めることなく、毎日を大切に、活動的に、かつ、しなやかに生きている、そういう素敵な女性が書いた本です。
子供の頃から体に変調があり、とても不自由をしながらも、自ら建てた保育所で真正面から真摯に子供たちや親と向き合ってきた、前半の人生。
その後、整体師と出会い、体が回復して人生が一変し、今度は自らそれを修行して、人々に整体師としての施術で幸せを与えてきた、後半の人生。
2つの大きく異なる半生を経て、今に至った、87歳の著者が、その人生経験をもとに、精神的なことや、体のことを、優しいタッチで記述しています。
内容の一部を紹介(1) 『描けば道は拓かれる』
今の時代は、選択肢が多すぎて道に迷うとよく聞きます。けれども、行きたい場所、やりたいことをいつも描いていれば、分かれ道にきても迷いません。おそらく、どの道を選んでも描いたところにいつかたどり着くのではないでしょうか。
「ありのままがいちばん」本文より
生きている場所が違うと感じる人や、やりたいことがあるけれど状況が許さないと思う人・・・そこは行き止まりではないと思うのです。道はその先も続いています。
「ありのままがいちばん」本文より
第1章では、著者が若いころ、志を高くもって多くの人を巻き込みながら、保育園を立上げて多くの子供たちを見てきたエピソードが書かれています。
著者自身の行動は、とてもまっすぐでエネルギッシュで一直線な感じです。
しかし、なに不自由なく進めてきたわけではなく、著者自身の体の不調をはじめ、さまざまな困難に悩みながらも乗り越えてきたことがわかります。
そんな経験の中からこそ出てくる深みのある言葉によって、この本のなかにある著者の思いや教訓が、僕たち読者をひきつけます。
内容の一部を紹介(2) 『この世はなんとかなることばかり』
どうにもならないから、がんばったって無理だから最初からやらない、というのは人生のムダ使いでしょう。失敗を怖がらずに一歩踏み出してみること。自分ひとりではむずかしいときは、誰かの助けを借りること。そうして、やりたいこと、やるべきことに少しずつ近づいていく。その過程では、思わぬ喜びをたくさん体験できるのではないでしょうか。
「ありのままがいちばん」本文より
人生とは一つひとつが結びついて初めて道となるのですから、人は目の前のことを投げてはいけないのだと思います。
「ありのままがいちばん」本文より
後ろ向きにならず、「できることを精いっぱい」する、という、著者の生きてきた歩みが文章からにじみ出ています。
「なんとかなることの方が多いと思います。」と、素朴な文章で書かれていますね。
そして、強い意志とひたむきな努力、だけではなく、人との縁を大事にしてきた生き方が、いろんな出来事とともに紹介されています。
一期一会のこころで、多くの人との縁を大切にして一緒に努力していくことで、思いもかけない道が開けた、というエピソードに引き込まれます。
内容の一部を紹介(3) 『変化が激しいときは自分を見つめる』
大切なことはそれほど多くなく、変化していくもの、通りすぎるものがたいして重要でないとわかります。そういうものは、捨て置くつもりでいればいいのです。
「ありのままがいちばん」本文より
凝り固まらずに、柔軟な考え方が生きることの大事さを説いているのも、この本の特徴です。
一貫しているのは、決して無理をせよといっているわけではない、ということです。
作者自身、精力的な人ではありますが、体に不調をずっと抱えてきて、後に整体に出会うことによって、からだの面から自分の状態を保ち、また人を癒してきた経歴の持ち主です。
無理をするのではなく、なるがまま、ありのまま、も大事にしながら、しなやかに生きていくことをすすめてくれているようです。
整体のものの見方から 『からだを使いきって生きる』
第1章では、前半生のエピソードをまじえて、生き方に対しての著者の考え方がエッセンスとして示されていました。
第2章では、整体師としての見方から、生き方へのアドバイスをくれています。
ここでも、ありのまま、を大事にする姿勢が重視されています。
からだの変化を感じ取り、からだが求める動きを開放し、からだが欲する休息や栄養をとる、ということをすすめています。
老化してからだがかたまるときにも、きちんと整えていい形でかたまるようにするのが良い、と言っていますね。
痛みや熱を止める愉気
それから、本当の体の不調にたいしては、有効な技として、「愉気」というものを紹介しています。
姿勢を正して、手をあわせ、目をつぶり、次に息を深く吸って手から吐くつもりで、静かに深い呼吸をすることで、手にだんだん気が集まってくるので、それを相手の具合悪いところにあてて、気を送る、というものです。
ハンドパワーとか、手かざしとか、いろいろな表現を聞いたことがありますが、手の平からなにかエネルギー(?)気(?)を出す、というやつですね。
非科学的なことを言っているように聞こえるかもしれませんが、怪しい宗教的な話はでてきません。
体そのものが潜在的にもつ力、ということを大事にしている著者の言葉として、なんとなくしっくりくる気がします。
からだと生き方は一体
今の時代は自分の本質と違うところでがんばる場面が多いように思います。・・・・人生がうまくいかないと悩む人も、自分の本質に合うところでがんばると、パッと道が拓かれるものです。人生を謳歌するには、「自分らしさ」はとても大切なことですが、自分の本質を知らない限り、真の意味での「自分らしさ」はわからない。
「ありのままがいちばん」本文より
このようなメッセージは、わりと啓蒙系の本では目にすることが多いのですが、ほとんどは精神のありようとしてのメッセージです。
しかし、本著では、心の持ちようとして、だけでなく、からだとの付き合い方としても、このことを述べています。
冒頭にあったように、”からだを整えれば生き方が整い、人生が整う”という基本姿勢の中で、からだと気持ちや、からだと生き方を切り離すことなく、素直に「向き合う」ことの大切さを述べているのです。
からだが思うようにいかず、気持ちも塞いでしまうようなときには、すこし立ち止まって、からだと気持ちの両方耳を傾ける、という姿勢が、どうやらよさそうです。
まとめ 前向きに、そしてしなやかに・・・
87歳でもなお、元気に整体指導にあたっており、まだまだこの先も活躍していく、というパワーが感じられる文章でした。
残念ながら、この本の初版が発行された2012年から3年後の2015年に91歳で亡くなってしまいましたが、その3ヶ月前まで現役で活躍されたそうです。
その生き方は、今もなお、我々に刺激を与え続けてくれます。
実践するのは難しい事ではあるけれど、後ろ向きにならない、じっと立ち止まり続けない、気持ちをあかるくもって前進する、ということですね。
そして、しなやかに。
自分の体やこころが示してくれることに、素直に耳を傾けて柔軟に生きる、ということが大事。
そんなことを教えてくれる本でした。おすすめです。
では、またっ!
にほんブログ村
コメント