読んでみた!「どうでもいい小さなことで不機嫌にならない本」

読んでみた
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読んでみた!

「どうでもいい小さなことで
  不機嫌にならない本」
 著者 : 和田秀樹
 PHP

僕は「どうでもいい小さなことで不機嫌」になってしまう人なので、この本のタイトルにドンピシャで反応して手に取りました。
タイトルこそ違えど、「心が軽くなる」や「幸せにいきる」などのキーワードを題目とした数多くの本も同じようなテーマを取り扱っているので、この本の中から「目から鱗の大発見」というようなことを見出すことはできませんでしたが、
頭においておくべきヒントをさらに探すことや、繰り返し頭に焼き付ける、ということにおいて、役に立つ本でした。

◆序章 不機嫌になりやすい人、なりにくい人

不機嫌になる理由はおよそ3つくらいのケースにわけられる、と述べています。
・大切にされていると思えないとき
・傷つきやすい自分を守るとき
・ムリなことをしようとしてうまくいかないとき
この3つの分類に対しては、僕は「ちょっと不十分ではないかな?」と思わないでもないですが、これら3つのケースが不機嫌につながる原因であることは間違いなさそうです。

これとは別に、(なのか、これに含まれる、と著者が考えているのかは不明確ですが)、満たされていない人は不機嫌になる、ということを、「金持ちケンカせず」という古来の表現で説明しています。
例として、レストランの店員がミスをしたときに、高級レストランでそれが起こった場合は騒ぎにもならずに和やかに済みやすいのに対して、ファミレスの場合には店員に怒って騒ぎを引き起こすケースが比較的多い、という具合です。
さらに、これは、お金をたくさん持っているかどうか、というのではなく、それによって自分が満たされているかどうかに左右される、としています。
不機嫌というのは、外からやってくるものがきっかけになるのは確かですが、それにより起こるのではなく、不機嫌を作り出すのは自分の内面にある、ということだと思います。

また、この、「なりやすい人、なりにくい人」の分類に加えて、「不機嫌がすぐに終わる人、不機嫌がずっと続く人」というカテゴライズを挙げています。
このすぐに終わるかずっと続くか、は、なりやすいかなりにくいかと同じぐらい重要な要素であることが後の章でも明らかになります。
なぜなら、誰にでも不機嫌になる要素は間断なく降り注いでくるし、それで全く心が動じない人はそうそうおらず、そこからのリカバリ次第で不機嫌で居るか居ないかが決まってくるからです。

◆第1章 心の負担を減らそう、手放そう、避けよう

自分で変えられもしないものに悩んで、心の負担を抱え、イライラが募っている、というケースが多い、としています。
例えば自分の子供の態度であったり、夫の出世のことであったり、手助けはできることがあったにせよ、自分自身でそうそう変えられないことで悩むよりも、変えられる「私のやるべきこと」で悩んだほうがいい、ということです。
これは人に対してだけでなく、時間軸についても同じこと、としています。いくらイライラしたり悩んだり後悔したりしても、過去は変えられない、ということです。
過去のことで悩み始めると問題が解決しなくなる。今後のことに意識をシフトして、自分の気持ちをラクにしよう、ということです。

また、序章のところでも触れましたが、大事なことは、不機嫌な気持ちになったときには、それを一過性で終わらせること、としています。
誰でもどうやって、不機嫌になってしまうことはありますが、そのときは、感情に対して変な刺激をしないこと、と。
僕もそこがなかなかの苦手で、馬鹿な心的態度をとっているなあ、とわかってはいつつも、ついつい、心の中で不機嫌の原因になった事柄を思い出してわざわざ繰り返し、自らを痛めつけていることがあります。
そういう刺激をせず、とにかく消えてゆくまで放っておくこと。人によっては、誰かに愚痴をきいてもらうことも有効な方法ではありますが、僕のように、それを言っているうちにどんどん気持ちが悪いほうに行くタイプの人は、外のことにエネルギーを出してしまって、時間が忘れさせてくれるまで、できるだけ思い出さずにそっとしておくことが重要そうです。

その他
・悩みは行動で解決する(サスペンド状態のときが一番不機嫌)
・自分の実力を超えたムリはしない(得意、不得意をきちんと見極めて、できないことを力をいれすぎない)
・嫌なことを忘れるために別のことをやってみる
・何かに落ち込むとイライラを忘れる(フロー状態、ゾーン状態に入れればベスト)
・長期的な視点を持つ(機嫌の悪いときほど視野が狭くなって、先のことを考えられなくなる)
などが書かれていますが、これらは割と使い古された感があるのですが、
同じく使い古された感はあるものの、今一度心に呼び戻しておきたい、と思ったのが
・「あってもいいか」に気持ちを切り替える
・「何とかなるよ」と開き直って心の余裕を持つ
です。
どうしても「あってはならないこと」「ありえないこと」という感情に支配されがちですが、「ありうることだ」「まあ、あってもいいか」ぐらいに思い直す。そして「何とかなるよ」と開き直る。
いずれも、こころの余裕こそが、不機嫌から自分を遠ざけるのに最も大事なこと、ということです。

◆第2章 「大事なこと」だけに集中する

「あせらない、慌てない」というタイトルの節で、「人生は短いようで長いので、そう思っておいたほうが些細なことが気にならず、自然にイライラは減ってくる」と書かれています。
僕たちは、啓蒙書などでよく、まったく逆の「人生は長いようで短い」という刺激にさらされており、その焦りが不機嫌につながっていることがしばしばある気がします。
どちらも正しいのでしょうが、不機嫌がいい、ということはないので、この、「人生は短い」認識と「人生は長い」認識とを使い分けたほうがよさそうです。

また、完璧主義の弊害にも触れています。手洗い脅迫も例に挙げられていますが、どうやってもバイ菌をゼロにすることはできないし、むしろ人間はバイ菌と共存していて、悪いことだけでなく免疫力を保つために良い働きもしている。
こういう例も出しながら、ムリな完全主義は意味がないどころか心に悪い作用をもたらす、ということを述べています。
多くのことは八割ぐらいできれば十分ではないか。そこから先はあきらめればいい、と。同感です。

◆第3章 「競争」から離れると、うまくいく

競争社会の中にいる僕たちにとって、すべての面で「競争」から離れる、というのは現実的ではありませんが、少なくともプレイべートの時間、余暇の時間は「競争」の意識から自分を解き放ってあげたいものです。
また、余暇の時間を「競争」に費やすにしても、この本に書かれているとおり、負けそうな競争からはどんどん離脱して、勝てそうな競争に力をいれる、という態度は、余暇においては重要な気がします。
さらに続けて本に記載されている、「これだけは負けられない、という、自分にとって重要な競争に集中する」という取り組み方も余暇の中では魅力的です。

それから、「勝ち負け」と関係ないものまで「勝ち負け」で見ない、ということ。これをやってしまって、自分で勝手に機嫌を悪くすることはおそろしくバカバカしいこと、と書いています。
よくあるケースは、最終結果の「勝ち負け」だけが重要なのに、途中のポイントにいちいち「勝ち負け」の物差しを持ち込んでイライラしてしまうケース。
もう一つよくあるケースは、関係ない他人との比較で「勝ち負け」を考えてしまうケース。他人が幸せであろうが不幸であろうが、自分が幸せになればいいのだから、まわりの人との間に「勝ち負け」の概念を持ち込むことは全く意味がない、ということです。

◆第4章 自分にも人にも寛大になると、機嫌がよくなる

この章の中で、「機嫌のいい人は自分だけの時間を持っている」というくだりがあります。
自分だけの時間、自分と向き合う時間を持つべきだ、という主張は、他の本でも多く見てきた気がします。
この目的は実にさまざまで、自分の精神レベルを高める、とか、立ち止まって自分の生き方を見つめなおす、とか、他人や社会に染められた自分を洗い流して本来の自分を取り戻す、とか。
本書では、たまっているイライラ気分を緩和してくれる効果、と記載しています。
また、リチャード・カールソン博士という人の、一人旅の勧めを紹介しています。この博士のベストセラー「小さいことにくよくよしない88の方法」(王様文庫)も挙げられているので、今度一度ぜひ読んでみたいと思います。

◆第5章 人間関係が驚くほどラクになるコツ
◆第6章 「笑顔」をつくるだけで「ご機嫌」になれる

僕が最も苦手な、「笑顔」がきました。
不機嫌なことが多い僕が、笑顔でいる時間が長いはずもなく、笑顔が得意なわけもないのですが、本書では、不必要な敵意を避けるために欧米では子供のころから笑顔をつくる訓練のようなことがされている、ということまで紹介されていました。
顔の表情は長年にわたって作られていくので、笑顔を絶やさずにいると笑顔を作る筋肉が鍛えられ、笑顔がクセになります、とあります。一方、僕は眉間に縦のシワが深く刻まれていて、これはちょっとやそっとでは薄まりそうにありません。

笑いを大切にする大阪商人の知恵、という紹介がこの本の中にあって、僕も大阪生まれの関西育ちなので、このあたりは少しは得意。(単に日常会話にオチがないと許せない気質なだけですが)。せめてそこからでも強化したいと思いました。
また、楽しそうな場に行くだけで笑顔になれる、という紹介。日々の忙しさや、段々歳をとって活動レベルが下がってきていると感じるこの頃ですが、楽しそうな場を探して頑張って積極的に出かけ、せめて、自然に笑顔が出る機会を増やすことができたら、と思いました。

◆最後に

本書の中身は、辛辣な書き方をすると、なにか全く新しい概念やアイデアが記されている訳ではないと思います。
いろんな本で繰り返されてもいるような、前向きであるための心の持ち様、態度の有り様、をあらためて整理・解説・列挙しているものです。
それを感じつつ、僕はこの本を前から順に読み進めながら、自分がうまくいってない点や、忘れてしまいがちな点を確認していきました。
最後の章が、「笑顔」に関する記述であり、「不機嫌になったときには、とりあえず笑顔をつくってみましょう。笑顔をつくることは機嫌のいい人になるための近道です」と締められています。
なんだか、「この本、僕に向けて書かれたんじゃないかな?」と不思議な気分になりました。

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