『時間革命』という本をご紹介します。
かの有名な、「ホリエモン」こと堀江貴文さんの著書です。
著者は、いろんな分野にわたって数々の本を執筆していますが、この本では「時間」に焦点をあて書かれたものです。
ごあいさつが遅れました。こんにちは、みどるさなぎです!
本来、こういう種類の本というのは、自己啓発コーナーにあるのが通常です。
しかし、大学教授・思想家・本職の作家などと違い、ホリエモンはタレント性の高い有名人です。
このため、本屋によってはタレント本と同じ棚に並べられていたりすることもあります。
「あの有名人が書いた本、面白そう!」という動機を狙ったものですね。
そういうのに若干の嫌悪感を持つ僕は、長い間、堀江貴文さんの本を手に取ることはありませんでした。
しかし、ホリエモンブームが過ぎてしばらくすると、なんか「読んでみようかな」という気が、起こってくるものです。
いわゆる、アマノジャク、ですかね。
そして、読んでみると、なかなかに面白く、刺激的ではないか!
1日か2日で一気に読み切れる分量ですが、それ以上の価値がある本だと思いました。
紹介します!
おすすめの本 『時間革命』(堀江貴文)
ご紹介するのはこの本です。
時間革命
著者 : 堀江貴文
朝日新聞出版
副題に、『1秒もムダに生きるな』「バカに恵む時間はない!』とあります。
いかにもアクの強い、ホリエモンの本らしい副題が表紙を飾っています。
こういうところが、「彼、苦手・・」という人を生んでいる、というのは事実ですね。
僕も、このホリエモンがTVで喋っているのを見て、「あ、この人、僕ムリ・・・」としばしば思います。
またこの本の中身の文章でさえも、「あ、ちょっとこれは・・・。この人・・・。」と思う部分はあります。
それでもなお、この本が書こうとしていることや、彼独特の物事の捉え方には、とてもよい刺激をうけます。
そして、行動に当てはめてみたい、という前向きな気持ちが起こってくるのが、とても不思議な感覚でした。
この本はこんな人におすすめ
- 忙しい忙しいと、常に余裕がない
- なにかを変えたい、と思いながらも、変わらずに長く過ごしてきている
- 自分がやりたいことをやる、と目指しつつも、その一歩が踏み出せない
- そもそも自分が本当にやりたいことがわからない
著者の「堀江貴文(ほりえ たかふみ)」さん とは?
もはや、紹介の必要はないかもしれません。
テレビでも雑誌でも、SNSでも有名な、あの「ホリエモン」です。
10代とか、よほど若い人を除いては、知らない人は皆無かもしれませんね。
昭和47年(1972年)生まれの実業家です。
東京大学在学時代に事業を起こし、中退。
「ライブドア」というIT系の大企業にまで発展させました。
誰もが認める成功者となった当時、プロ野球や放送局の買収、衆議院議員への立候補などを試みましたが、その頃から、彼を悪く言う人がとても増えていたのを覚えています。
2006年に証券取引法違反で逮捕されたときの、マスコミや世間のバッシングたるや、すごいものでした。
刑務所を出所した後、再びメディアに姿を見かけることも多くなり、また、SNSでの発信も活発に行い、数百万人のフォロワーを擁しています。
このあたりの、決してつぶれない姿 には、本当に脱帽です。
著書も多く、ベストセラーをたくさん生み出しています。
全体としてはこんな本・・・Time is Life
時は金なり、という諺があるが、「金」なんかなんとでもなるし、最悪、なくても今の日本だったら死んでしまったりしない。
そんなものよりも、もっともっと大事なのが「時間」だ、というところから、この本は始まります。
そして、僕たちが、どれほど時間を無駄に使っているか、時間を有効に使い切るということに対して無頓着でいるか、を気づかせてきます。
「時間がない、時間がない」と言っている多くの人に対して、それは自分の在り方の問題だ、と指摘してきます。
ホリエモン流の鋭い、痛快な語り口で、突いてきますよ。
この本は、「時間」を切り口にして書かれていますが、ベースは、自分の人生は自分のためにあるのだ、ということを言っています。
時間がない、という考え方自体も、そのような逃げ道を自分で作っているにすぎない、ということを気づかせます。
生き方、価値観をもう一度考え直さないといけない、と思わせてくる本です。
内容の一部を紹介(1)
たとえばいま、あなたの部屋に狂暴そうな猛獣が入ってきて、こちらを見ながら唸り声をあげているとしよう。
(中略)死んでしまえば、自分に残された時間は、一瞬にしてすべて奪い去られてしまう。
そんなのはごめんだ。だから頭をフル回転させて、その危機を回避しようとする。
(中略)他人のせいで時間が奪われている状態というのは、「生きながら猛獣にゆっくりと食い殺されている」のと同じだといっても過言ではない。
それなのになぜ気づかない?なぜ平気でいられる?ぼくには不思議でならない。
この捉え方は、僕にとって、完全に斬新でした。
不本意な仕事であったり、自分の望まない時間の使い方を、「殺されている」と位置付けるあたり、すごい感性だと思います。
たしかに、楽しくもない会社づとめを、「飼い殺し」されている、などといった表現は目にしたことがありますが、このようにダイレクトに「殺されている」と表現するのは初めて見ました。
たしかに、「Time is Life」という捉え方をしたら、Time(時間)を奪われるのは、Life(生)を奪われる、ということなので、「殺される」に間違いありません。
しかし、僕たちは、ムダな時間も「まあ、そんなこと、普通にあることだ」と流してしまい、「死」と結びつけるような危機感はいだきません。
こういうところに、生きている時間を100%使い切ろう、という著者の強い意志が感じられます。
内容の一部を紹介(2) 『「多忙」と「暇」は同義である』
「暇=悪」ということだ。
(中略)退屈な時間には、頭の中に「ロクでもない考え」が湧いてくる。
それがストレスを生み出したり、人をバカな行動へと駆り立てたりする。
「多忙」な人というのは、ものすごく忙しいにもかかわらず、心のどこかでは「退屈」しきっている。
膨大な仕事を次から次へと処理しながらも、どこかでそれを冷め切った目で見ていて、本当はそれに飽き飽きしている。
「多忙」「暇」というのは、真逆のようでいて、じつはそっくりな状態なのである。
これには、僕も心当たりがあります。
何もすることがないと、後ろ向きな(ホリエモンにいわせると「ロクでもない」)考えにとらわれてしまいがちです。
そうならないために、意識するしないはともかく、何かで時間を埋める、ということをしてしまうことがあります。。
好きでもない仕事や、他人のための仕事、というのは、まさに「何かで時間を埋める」という、寂しい選択なのかもしれません。
そして、飽き飽きして、体は多忙を極めているものの、心は退屈しきっている・・・・。
どんなに忙しくても、自分のために何をも生まない、という点で、何もしていないのと何ら変わらない、ということなのでしょう。
内容の一部を紹介(3) 『継続自体に価値はない』
「継続は力なり」などという言葉を真に受けてはいけない。
「続けられるかどうか」なんて考えずに、まずはじめればいい。
ダメならほかに乗り換えるだけだ。
大事なのは「続けること」ではなく、「動き続ける」ことだ。
動くためには、やる前から継続なんて考えるほうが愚かなのだ。
ホリエモンさんは、僕と同じ昭和後半の世代です。
「継続は力なり」「石の上にも三年」を刷り込まれる環境はあったはずなのに、どう生きてきたらこのようにザックリと割り切れるのか、不思議です。
僕自身は、継続することや、その努力は、何か実を結ばせるためには重要なことだと思いますよ。
ホリエモンさんも、「継続に価値はない」ではなく「継続自体に・・・」と言っているので、継続を否定しているわけではなさそうです。
ただ、「継続」の苦痛に、美しさも価値も感じていない、ということかと思います。
さらには、「継続すること」に縛られて、変化ができずに、同一方向に続けてしまうリスクと愚かさ。
また、継続できるかどうかを重視するあまり、スタートにエネルギーを要してしまい、結局始められなくなることのバカバカしさ。
そういったことを述べているのではないかと思います。
となれば、とても共感でき、納得できる話です。
内容の一部を紹介(4) 『ぼくはずっとたのしい仕事しかするつもりがない』
「たのしい仕事しかしない」という話をすると「苦労した末にやりがいや達成感を得られる仕事だってある」(中略)という反発を覚える人もいるだろう。
(中略)みんな、幸せというものを、なにか高尚なものだと思いすぎなのだ。
幸福というのは、努力や成長を積み上げた先にある「点」などではない。
日々のあらゆる時間のなかに横たわっている「線」だ。
先程の「継続自体に価値はない」とも関係しています。
「継続」を、苦痛を耐え忍ぶもの、という捉え方を、ホリエモンさんは全くしていません。
高尚な目標を立てて、苦労をして、最後になにかがなしとげられる、という昭和的なプロセスを是としていない、ということです。
そうではなくて、楽しいことを次々とやって、夢中になっている、という状態の継続を、ホリエモンさんはむしろ肯定しています。
そして、僕らもうすうす気づいているのですが、成功している人はいつも、とても生き生きとしています。
たとえ、周りがどんなに疲弊していたり、迷惑していようがお構いなしに・・・・。
たぶん、毎日が楽しくてしょうがないのだと思います。
そういう人も、口では、「血を吐く努力の結果、私は成功したのだ。お前らも努力しろ」、みたいなことを、言いますけどね。
苦痛に耐えるのと、楽しく過ごすのと。どちらが、人生トータルで幸せか?
めざすべきはどっちか?考えさせられますね。
内容の一部を紹介(5) 『努力するな。ハマれ』
やりたいことや夢中になれることは、探すようなものではないということだ。
僕の頭のなかにあるのは、一本の大きな「川」だ。
そこにプカプカと浮かびながら、流されてるのがぼくたち人間である。
(中略)そうやってリラックスしていると、ときどき川のどこからか「果物」がこちらに流れてくる。
(中略)そうやって次々に視界に入ってきた「果物」に夢中になっているのが、ぼくの人生だ。
「やりたいことがない」と言う人は、じつは気になっている「果物」があるくせに、いろいろと言い訳をつけて、それを意識の外に追いやっているにすぎない。
(中略)気になったのなら、まずはそれにかぶりついてみるべきだ。
ここで登場する大きな課題。
「やりたいことって何だろう」
多くの人はその答えを持てないまま、「なにか違う」と思い続けて、苦しく人生を送っています。
僕も、「50代にもなって、まだ自分探しかよ」と、自分で自分が嫌になりますが、そんなもんです。
ふしぎな村の村長の教え
--やりたいことが見つからず悩んでいるあなたに読んでほしい!--
やりたいことを必死になって探すのですが、ホリエモンさんは「やりたいこと、っていうのは、そんなものではない」と。
プカプカと浮かびながら、視界に入ってきたものに次々に夢中になる・・・・。
もっと、はっきりと決まった「好きなもの」にまっすくに向かっている人がホリエモンだと思っていたので、正直意外でした。
たしかに、そういう見方をしてみれば、ホリエモンの生き方はそっちかな?と納得もしますが・・・。
それにしても、なかなかに魅力的なスタイルです。
いくら考えてもたどり着けない「自分」さがしはもうほどほどにして、このスタイルを真似てみるのもいいかな?と考えてしまいます。
まとめ 堀江貴文著 「時間革命」
表題からして「時間」とありますが、この本は、いわゆる時間管理のノウハウ本ではありません。
よくある、目標と計画を立てて、自己管理をして、というやつではない、ということですね。
よくある、「ちゃんとできているか セルフチェックシート」みたいなのがついてるやつとも違います。
時間をどう使いましょう、みたいな些末な方法論ではなく、生きることと時間とを同義にとらえ、それを直視しましょう、と啓発する本です。
自分はどう生きるか。
しかも、それを頭の中であれこれ考えたり、二者択一をしたりするのとは違う。
流れに背かず、たゆたいながら、目の前に現れたものをためらいなく試し、そこに全力の興味と集中をそそぐ。
そのこと自体を楽しみ、また状況や自分の好みが変われば、別のなにかに集中する。
この生き方を「続ける」には時間がいくらあっても足りないし、時間が過ぎるのが惜しいほど楽しい。
こういうスタイルを、ホリエモン自らの生き方を絡めながら、示してくれています。
日常に流されている自分も、この本に出会ったことで前向きなスイッチが入る、とてもよい本です。
おすすめです。
では、またっ!
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