ちょっとガッツリ歩きたいな!でも、山道とかは自信ないな!
そういう方におすすめのウォーキングコースがあります。
三重・松阪(飯高)の素敵なウォーキングコース ”珍布峠”をご紹介します。
ごあいさつが遅れました。こんにちは、みどるさなぎです!
三重県にはたくさんのウォーキングコースがあります。
しかし、気を付けて選ばないと、恐ろしい目にあう恐れがあります。
なぜなら、三重県は一部の沿岸や盆地を除いては、とても山深いところ。
ウォーキングガイドを手にして、気軽に出かけて行ったところ、まるで本気の登山?! ということが起こりうるのです。
県民に健脚が多いからかねえ・・・。彼らにはウォーキングなのかもしれないねえ・・・。
珍布峠(めずらしとうげ) ← 「ちんぷとうげ」ではありません
「読めねえ~~!」
知ってないと絶対に読めない地名です。
それはともかく・・・・。
「峠」と言われて、震えあがってしまいますが、このウォーキングコースは普通の中高年にも優しいコースです。
昔、和歌山街道と呼ばれていた街道で、紀州のお殿様の参勤交代にも使われていたそうです。
大名行列に使うぐらいだから、ロープをつたって断崖絶壁、みたいなことはありえませんね。
ちなみに、スタート地点の道の駅の近くは、その大名行列の本陣が置かれた宿場町だったようです。
ウォーキングコース「珍布峠」の立地
珍布峠は、三重県松阪市の飯高というところにあります。
飯高町は、今は松阪市に属していますが、平成の大合併までは独立した市町村だったところです。
まず向かうところは、松阪の中心地から奈良県の桜井方面に向かう、国道166号線沿いにある、道の駅「飯高駅」です。
松阪の市街地からはおよそ30km。車で45分ほどのところにあります。
ひいいっ!奥深い山の中や!
こうやって紀伊半島全体の中の位置でみると、恐ろしく険しいハイキングをさせられる気がしますが、大丈夫です。
コース自体は、アップダウンが少ない、初心者や中高年にもやさしいウォーキングコースです。
アクセスは国道一本。スタートとゴールは道の駅
①車で道の駅に行く。
②道の駅の駐車場に車を停める
③道の駅でガイドマップをもらう
④歩く
⑤道の駅に帰ってくる
⑥お風呂に入る
⑦車で家に帰る
もう、スタート前から、ウォーキング終了後まで、至れり尽くせりです。
こんな恵まれたウォーキングばかりやってると、他のができなくなります。
出発前に道の駅「飯高駅」
せっかくなので、道の駅も楽しんでいきましょう。
お土産物や、当地の農産物など、なかなかの品ぞろえで、楽しいスポットです。
ゆっくり見て回って、これからウォーキングに行く、という英気を養いましょう。
そしてトイレを済ませて、案内書に突き刺さっているガイドのパンフレットを頂戴しましょう。
お米が超美味しい、おにぎりやさん「八十八屋」
道の駅の敷地のすぐとなりに、おにぎりやさんがあります。
「朝ごはん食ってから家でてきたんやから、おにぎりなんか要らんがな!」という僕の言葉は、まったく耳に入らない妻。
要らんと言うてる僕に、「何がいい?」と聞いてくる強い妻。
僕は「きゃらぶき」と答え、妻は「あさりのしぐれ煮」を選び、おにぎりを一個ずつ買って出発しました。
このおにぎりが、後で驚きの美味しさで、僕に感動を与えてくれました。
ちなみに、このおにぎり屋さんは、もともとは地元の農家さんで、飯高の美味しいお米をいろんな人に知ってもらいたい、と、ここで商売を始めたそうです。
珍布峠のウォーキング
道の駅を出発
この日は2月とはいえポカポカ陽気で、抜けるような青空。
とても気持ちのいい散歩日和でした。
ただ、杉の木がやる気満々に花粉を蓄えてるのだけが、気分を憂鬱にさせますが・・・・
先程手にしたパンフレットを開くと、ウォーキングコースのルートマップがあるので、それに従って歩きます。
マップがあると安心ですが、道の角々には道案内の看板を立ててくれているので、迷う心配はありません。
サテライトオフィスも
少し歩くと、貸しオフィスのようなものもありました。
最近、流行りですね。
古民家を修復して、オフィス用に賃借しているようです。
ここだと、空気もきれいだし、仕事の手をとめて散歩に行くと、いい気分転換にもなります。
先程の道の駅には、天然温泉もついていますし・・・。
こんなところで、余裕をもって仕事ができたら最高ですね。
ちなみに、玄関の注連縄は、外し忘れではありません。
伊勢や松阪のあたりでは、注連縄を一年中飾る、古くからの習慣があるのです。
林道に入っていく
そこからしばらくは左右に民家が並んでいます。
ちょうど僕らが歩いているとき、家の中からでてきたおばあさん(90歳ぐらい?)に「こんにちは」とあいさつしたら、「いってらっしゃい」って返してくださいましたよ。
民家が途絶えると、いよいよ林道に入っていきます。
林業が栄えた土地らしく、植林された杉の木は手が行き届いていて、まっすぐに天に向かって伸びています。
このあたりで深呼吸をすると、普段吸っている空気とは違うことがはっきりと感じられます。
今は人工林ですが、街道として栄えたころは、松の並木だったそうです。
道すがらには、ところどころに、その場所のいわくを説明した看板なんかもありますよ。
峠のてっぺん 切り通し
まもなく、珍布峠のてっぺんにさしかかります。
ここは大きな岩の切り通しになっていて、この峠の説明の写真にもっともよくつかわれるスポットです。
写真をとってみましたが、良さがあまり伝わりませんね・・・・。
プロが撮ったら、こんな感じになるんですね。さすがです。
近くによって見ると、岩肌は結構、迫力があります。
岩の繊維(?)から水がしみ出て流れている様子とか、不思議な光景を目の前で見た感覚でした。
散策道の一部が工事中 山道へ
出発前に、道の駅の案内書にも書かれたいたのでわかっていましたが、散策道の一部が通行止めになっていました。
(工期は、2022年の1月~2月 とありました)
脇に示された案内に従って、山道の歩道を通ってゆくことになりました。
そこが唯一の、舗装されていない道だったと思いますが、大して険しい道でもないので問題ありません。
ちょっとだけ、プチハイキング気分を味わえたような感じですかね・・・。
山と川と空の最高に美しいスポット
山道をぬけると、目の前に川があらわれ、おそらく今日見た中で最も美しい(と感じた)スポットに出ました。
櫛田川(くしだがわ)の透明度もすごく、川底がハッキリと見えます。
にもかかわらず、水そのものの色なのか、それともまわりの山や空の景色を映したせいなのか、緑や青の美しい色をたたえています。
ここまで歩いてくると、そこそこの疲れも感じはじめていたのですが、一度に吹き飛んだ感じがしました。
ここに腰かけて、先程買ってきたおにぎりをいただくことにしました。
八十八屋さんのおにぎりは最高
きれいな景色でおいしさ倍増!というのを差し引いても、とにかく美味しいおにぎりです。
おにぎりなんか要らんがな、と思ったのは間違いでした。妻が正しかった・・・。
とにかく、お米がおいしい。
さすがに、米を知ってほしくておにぎり屋さんを開業されただけのことはあります。
「最近のコンビニって、おにぎり美味しいよな」とか言ってた自分が、いかに世間知らずだったか、というものです。
ウォーキングするしないはともかく、道の駅「飯高駅」に行く機会があれば、ぜひ、この八十八屋さんのおにぎりはおすすめです。
礫石(つぶていし)
僕たちがおにぎりスポットにした場所は、じつは、由緒ある伝説のスポットでした。
天照大神(あまてらすおおみかみ)がその昔、波しぶきのとどまったところを伊勢(三重)と大和(奈良)の国境する、とおっしゃって櫛田川に大石を投げいれた、との伝説のある場所だそうです。
僕が腰かけた場所のすぐわきに、「礫石」と彫られた石碑があったので、写真を撮りました。
それで満足して、その場を後にしたのですが・・・・
僕はその天照大神の伝説をそのとき知らなかったのですが、後から調べてみると、その『伝説の礫石』が櫛田側の中にある、と。
つまり、礫石なるものを知らずに、その石をさがすことなく、ただの案内の石碑を撮影して帰ってきた、ということです。
本当の礫石は、下の写真のようです。
景色を見ながらひたすら歩く
コースに従って、景色を楽しみながら、ひたすら歩きます。
季節が季節なら、きっとお花見をするんだろうな、という、大きな木の下のベンチだったり、
橋を渡るときにみえる景色が、実は、素朴だけど素敵な眺望であったり。
また、国道に出ると、本居宣長の句が彫られた石碑があったりもしました。
達筆すぎて読めない・・・・
頑張って読もうとしたけど、もうちょっとのところで解読できず。
そのすぐ隣にあった、もう一つの石碑のほうが僕には合うな、と思いました。
そのほか、山道に再び入ると、さっきからあった赤い実がなんだろうと気になったり・・・。
気になって、Googleで調べると、「ハナミョウガ」という植物でした。
歩きながら、こういったちょっと気になるものに目をとめることで、普段の生活とは違う、新鮮な体験ができるのでした。
今は2月ですが、時期によって異なる姿を見せてくれるのでしょうから、また別の季節にも来てみたいものです。
天然記念物 水屋神社の大楠
水屋神社という立派な神社の境内に、天然記念物にも指定された立派な大楠があります。
近年では、パワースポットとしての人気も高いそうです。
そういえば、さっき通ってきた、珍布峠の岩の切り出しのあたりも、パワースポットらしいです。
このあたりの地名の「赤桶」は「あこう」と読むそうです。
姿見の池
姿見の池、とは倭姫命(やまとひめのみこと)が、自分の姿を映して化粧をした、という伝説のある水たまりです。
水源がないのにいつも水をたたえている、という、岩のくぼみです。
いちおう、見とかなきゃ、と思い、立ち寄ってはみました。
う、うーーん・・・・
流れてないんだから、当然といえば当然ですが・・・。
綺麗じゃないです・・・・・。
ま、こういうスポットもあっていいか、と思いながら、早々に立ち去りました・・・。
ひたすら、ゴールまで歩く。
行ったら帰ってこなくてはいけません。
ズルをしてバスに乗る、という手もあるのですが、ウォーキング目的で行って、そんな姑息なことはしてはいけない。
しかも、このような土地柄、いくらバス停があるからといって、バスなんか待ってもいつ来るかわからない・・・。
雑念は捨てて、もくもくと歩いて、ようやく、道の駅に帰ってきました。
疲れたら天然温泉 いいたかの湯
香肌峡温泉(かはだきょうおんせん)「いいたかの湯」という、天然温泉が、併設されています。
疲れをいやすのに、ウォーキング後にお湯につかるのもおすすめです。
今回、僕は入れませんでしたが、さぞかし気持ちいいことだろう、と。
なかなか評判のいいお湯なので、時間があるかたは、ぜひ一度試してみてはいかがでしょう。
まとめ 中高年にも優しいウォーキングコース 珍布峠
道の駅に車を停め、珍布峠に向かって出発したのが10時半で、帰ってきたのが12時半。
ちょうど2時間のウォーキングでした。
距離にして、およそ7km。すこし疲れましたが、とても良い運動になりました。
それ以上に、美味しい空気のもと、いろんな景色も楽しめて、気持ちのいい時間をすごすことができました。
街の喧騒を離れて、素敵な景色のもと、ゆっくりと歩くのもたまにはとてもいいものです。
この「珍布峠」は、高低差も少なく、さほど体力に自信がない方でも、中高年でも気軽に楽しめるウォーキングコースです。
季節を選んで、ぜひ楽しんでいただければ、と思います。
では、またっ!
コメント