釣り具屋さんには、『偏光サングラス』なるものが売られています。
フィッシング時の便利なツールですが、その原理はあまり知られていません。
「普通のサングラスとどう違うの?」という人も多いと思います。
ごあいさつが遅れました。こんにちは、みどるさなぎです!
この記事では、「偏光サングラスて何?」「どう役に立つの?」という疑問にお答えします。。
そもそも、偏光って何よ? ← 波の向きがそろった光です
光が波である、ということを聞いたことがある人も多いと思います。
「波としての性質と粒子としての性質の両方が・・・云々」などという、高等な物理はこの際おいときましょう。
水の波のように、目に見えて上下に揺れていると分かりやすいのですが、光の場合は少し複雑です。
揺れる向きが、上下、左右、ななめ、と、あらゆる向きのものが混ざり合っているのです。
何が揺れるの?についても、電界とか磁界とか難しくなりますが、それもこの際おいときましょう。
この、ぐちゃぐちゃの波の中から、一方向に揺れる波だけを通して、その他を遮断してくれるフィルターが『偏光板』です。
そして、その偏光板を使って作られたメガネが、偏光サングラスです。
ちょっと実験 ← 「偏光」を感じてみましょう
下の写真は、偏光サングラスを2枚重ねて、天井の光を見たところです。
普通に重ねた場合、偏光サングラスが通す光の向きも揃っているため、光は抜けてきます。
しかし、一方の偏光サングラスを90度倒して、直角になるように重ねると、下のようになります。
一枚目の偏光サングラスを抜けてきた光は、二枚目の偏光サングラスが通す方向と直交しているため、光は遮断されます。
このことから、それぞれの偏光サングラスが一方向の光だけを通していることがわかります。
普通のサングラスと偏光サングラス
普通のサングラスは、眼に入ってくる光を弱めているだけです。
種類によっては、目によくない、波長の短い光をカットする機能をもったものもあります。
偏光サングラスも、原理的に、光は半分ぐらいに弱まりますが、それと同時に、波の方向が揃います。
通常は、縦の光を通して、横の光を遮断します。
また、まっすぐに縦でも横でもない、斜めの光は、そのうちの縦成分だけを通します。
その結果、光の量は半分になる、ということですね。
偏光サングラスはどう機能するの? ←表面テカテカをカットします。
ただ、まぶしいのを和らげるだけなら、普通のサングラスで問題ありません。
偏光サングラスは、表面のピカピカした反射をカットしてくれます。
そのため、水辺で使用すると、水の表面反射がカットされるため、水の中の様子がより見やすくなります。
このため、偏光サングラスは釣りに重宝されるのですね。
表面反射をカットする原理
光が何かの表面で反射したとき、光の波の向きは、下の図のようになります。
難しい言い方すると、光の進行方向の直線に垂直な面と、反射面の交線方向の光だけになって反射してきます。
表面がギラギラして見える、ということは、向こう側の光が、表面に反射して映りこんでしまっている、ということです。
そうした映り込みの光の波の向きは、面をみたときの奥行方向ではなくて、横方向、ということになります。
なので、この横方向の光だけを遮断してやれば、表面テカテカはみえなくなってくれる、というわけです。
そこで、縦方向の光だけを通す偏光サングラスが効く、ということになります。
偏光サングラスで表面反射が抑えられた様子(写真)
偏光サングラス有り無しでの水面下の見え方は、実際に使ってみると顕著な効果がみられます。
ただ、こういうのって、写真になかなかうまく写らなくて・・・・。
ということで、水面下、というのは諦めて、表面反射の抑えられ具合の比較です。
まず、サングラスなしのときの写真です。
部屋の中の家具の表面写真ですが、壁やカーテンが映り込んでいるのがわかります。
次に、偏光サングラス越しに写した写真です。
全体が暗くなっているのでわかりにくいですが、表面の映り込みはなくなっています。
参考に、偏光サングラスを90度回転させて撮影したのが、下の写真です。
全体の暗さは同じですが、表面の映り込みは、サングラスなしのときと同様に視認されます。
ううーーん、やっぱりちょっと訴えが弱いかな。もう少しいい写真がとれるように、今度再チャレンジしてみよう・・・。
おまけ モニターとの相性
蛇足なのですが、液晶モニター(テレビ、パソコン、カーナビ)には偏光板が使われています。
このあたりは、説明すると長くなるので、別の機会で説明します。
なので、偏光板の透過方向の相性が悪いと、表示が真っ暗で何も見えなくなってしまいます。
でも、このあたりは、業界の人はみんなわかっているので大丈夫です。
モニターの設計者は「偏光サングラス対応」を考慮してくれています。
偏光サングラスをかけて車を運転したらカーナビが見えない!なんていうことは起こらないようになっています。
まとめ 偏光サングラスの原理について
偏光サングラスの原理をご紹介しました。
表面反射による見えにくさを抑える効果について、わかって頂けたかと思います。
実際に、釣りのシーンなどでの効果をうまく写真に収められなかったのが残念ですが、ぜひ一つ手に入れて、実感してみてください。
裸眼の人や、コンタクトレンズの人は、釣り具屋さんやメガネ屋さんで、「偏光サングラスくださいっ」で買い求めてください。
メガネ屋さんだと、少し値が張るものが多いですね・・・。
普段メガネをかけている人は、メガネに外付で装着する、アタッチメントタイプのものがおすすめです。
効果はもちろん、同じように得られます。
ただし、メガネとの隙間で乱反射しあって、明るいところだとちょっと全体見えにくくなるのが難点ですね。
では、またっ!
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