クラシック音楽のコンサートというのは、初めての人にとっては、なかなか手がでないものです。
「興味はあるし行ってみたいけど、敷居が高くて・・・」という人も多いのではないでしょうか。
- 初心者でも楽しめる? コツとかあるの?
- 服装は? その他にも何か気を付けることは?
- どんなのを選んだらいいの?高いのから安いのまで、いろいろあるよね?
そんな不安から、クラシックのコンサートに行くのを躊躇してしまっている人の、背中を押したいと思います。
ごあいさつが遅れました。こんにちは、みどるさなぎです!
結論から言うと
初心者でもクラシックのコンサートは楽しめます。
行ったことのない人が恐れるほども、堅苦しいルールとかはありません。
道端のパフォーマーの歌に立ち止まるのと、クラシックコンサートに行くの、との違いを例えるなら、「今日は立ち食いソバでなく、ちょっとエエトコにご飯を食べにいこうか」程度の違いです。
ただ、最低限これとこれ、というのを踏まえておいたほうが、安心して楽しめると思いますので、それらを紹介します。
クラシックコンサートのルールはたった一つだけ。それは、音、です。
クラシックのコンサートで絶対に守らないといけないルール、それは、ただ一つだけ。
音を立てないこと、です。
全体ににぎやかな曲とか、大音響と静寂のコントラストを楽しむ曲とか、全体的にピンと張り詰めた弱音ずくめの曲とか、いろいろありますが、いずれにしても演奏者以外は音を立てない、これが鉄則です。
客席の明かりが落ちて、ステージの照明が明るくなってから、演奏が終わって拍手が起こるまでは、音をたててはいけない時間です。
おしゃべりやスマホの呼び出し音はもちろん、身動きによるガサガサした音もダメですね。
スマホに関しては、マナーモードにしていても、アラームの解除忘れで、予期せぬ音を出してしまい、まわりに迷惑をかけてしまうことがあります。
演奏者と聴衆、あわせて何百人もの人からの顰蹙をかいますね。
また、バイブの音も結構気になるものです。スマホ画面が同時に点灯するので、まわりの人を興ざめさせてしまいます。
どうせ応答はできないんだから、電源を切るか、サイレントにした上で機内モードにしておきましょう。
カバンの中のものを取り出そうとしてのガサゴソ音や、演奏の途中での上着の脱ぎ着も、まわりの迷惑になります。
くしゃみとか咳とか、どうしようもないわ。
楽章と楽章の間では、けっこう皆さん、咳をされてます。
演奏の間は我慢してて、ここぞとばかりに、楽章の間で咳ばらいをするみたいです。
そんなに咳せな、あかんか?と思うこともあるぐらいです
まあ、そこは許されるところなんですけど、演奏者の集中をそいでしまったり、指揮者が次の楽章に入れない、ということも起こるので、あまりにやりすぎはマナー違反だと思います。
くしゃみは止められないのでクセモノです。
花粉症の人は、花粉の季節は薬とかマスクとか、あらかじめ、できるだけ抑える対策が必要ですね。
僕は、万一に備えて、コンサート開始前に厚手のハンカチを出して、膝に置いておき、どうしてものときは口をしっかり覆って、音を最小化できるようにしています。
その他のルールは?マナーは?
音を立てない、ということだけの記述に、かなりのスペースを割いてしまいました。
そのぐらい、音のことは大事で、逆に言うと、音のこと以外はほとんどない、ということです。
ただし、音とも関係することなのですが、曲が始まると、その曲が終わるまで、ホール内外の出入りはできず、座席からは立ち上がってはいけません。
トイレは必ず、事前に済ませておくようにしましょう。
まれに遅刻してしまったときに、ホールのスタッフが楽章と楽章の間に、すっと客席に入れてくれる場合もありますが、楽章間の僅かな時間に自分の席にたどり着くのは不可能なので、まわりの迷惑になります。
入り口近くの空いている席にすっと座るほうがいいですね。
たとえ楽章間であっても、曲が終わるまでは入れてもらえないことも多いので、時間には余裕をもって行くようにしましょう。
コンサートに出かけるときの服装は?ドレスコードはあるの?
クラシックのコンサートだからといって、なにか特別きっちりした格好をしないといけない、ということはありません。
ジーンズにトレーナー とかでもいいです。
むしろ、自分にとって楽な恰好で、よりくつろいだ状態で音楽を楽しむことのほうが、おすすめです。
ただし、通常のコンサートではない特別な催しで、主催者側の意向で、服装の指定などがある場合はそれに従います。
何かの式典であったり、ニューイヤーコンサートとかで、ごくまれにそういうことはあるらしいですが、僕は経験したことありません。
どんな格好でもいいのですが、あまりにだらしない恰好や、不潔な恰好だと、まわりから浮いてしまう、ということはあります。
それは、コンサートに限らず、日常生活一般にいえることですね。
はい。良し悪しはともかく、人は見た目で判断するものです。そのため、「こいつ、マナー知らんやつかもしれんから、隣に座られたら嫌だな」と警戒されるかもしれません。
客層についてのおおまかな印象ですが、昼のコンサートはラフな格好の人が多く、夜ではオシャレしてきている人が多いような気はします。
また、企業協賛の安いコンサートや、大学オーケストラ、アマチュアオーケストラとかでは、カジュアルな人の比率が高く、逆に、チケットが高額なコンサート(全席1万円以上とか)になると、だらしない恰好の人は少ないです。
さらに、オペラやオペレッタは、わりと裕福な人の道楽的な面が出やすく、いい服着てる人の比率が高い気がします。
僕は以前、海外の楽団の日本公演で、「こうもり」というオペレッタを、池袋の「東京芸術劇場」に見に行ったことがあるのですが、ド平日の夕方に高額のチケットを買い求めて集まる客層は、お金持ちの奥様方がとても多く、和装のお着物をお召しのご婦人がとても多いのに驚いた記憶があります。
上着はクロークに預けましょう
冬場のコンサートでは、脱いだコートなどが邪魔になります。
そういうときは、会場についたらすぐにクロークに預けましょう。
大きい荷物がある場合も同様です。
座席まで持ち込むと、邪魔になるばかりか、床に落としたり擦れたりして、雑音を発してしまう原因にもなります。
大体の場合には、入り口でチケットを見せて会場に入ると、すぐ横あたりにクロークはあります。
そこで、上着を預けて、番号札を受け取ってください。
終演後にその番号札と引き換えに、上着を返してもらえます。
もちろん、預かり賃などを取られることはありませんよ。
演奏を待つ、そして拍手
席に着いたら、会場の雰囲気を楽しみながら、開演を待ちます。
トイレをすませるのと、スマホをオフにするのを忘れないでくださいね。
客席の照明が落とされて、ステージが明るくなればいよいよ開演です。
オーケストラのメンバーが入ってきたときに、会場に拍手が起こるようなら、あわせて拍手をします。
コンサートマスターが入ってきたときも同様です。
多くのケースは、メンバーが着席してから、最後にコンサートマスターが入ってきますが、一緒に入ってくることもあります。
最後に指揮者が入ってきて、拍手がおさまったら、いよいよ演奏の始まりです。
やばい!眠けが襲ってきた。やっぱり居眠りはヒンシュク?
せっかくのコンサートなので、寝てしまうともったいないです。
とはいっても、こればっかりは生理現象なので仕方がない・・・・。
美しい音楽を聴きながらウトウトできたので、至高の時間を過ごさせてもらった、と思うしかありません。
ただ、一生懸命起きようとしていてウトウトするのは仕方ないですが、初めから寝る気満々、というのは危険です。
深く眠りすぎて、イビキをかく、というところまで行ってしまう、最悪のケースに至る恐れがあるからです。
ウトっとして、ちょっとするとスッキリして、後半に集中して聴ける、となればいいですね。
あいだの休憩時間の過ごし方
コンサート自体が2時間前後の場合が多いので、途中で休憩時間を挟むことが多いです。
序曲+協奏曲+交響曲 とかの構成の場合、協奏曲が終わったところで15分ぐらいの休憩が入りますね。
そのまま座席でゆったり過ごすのもいいですが、少し体を伸ばして、新しい空気を吸うのもおすすめです。
立ち上がって、ロビーに出て、少し歩きましょう。
トイレもこのときにすませておきます。
女性用のトイレはかなり混雑することが多いので、早めに並んだ方がいいです。次の再開に間に合わなくなると最悪ですからね。
ホールによっては、バーが開いてて、コーヒーや白ワインなどの飲み物、サンドイッチなどの軽食を買うことができる場合もあります。
終演後にはバーは開いていないので、使ってみたい場合は。この休憩の間にしましょう。
ただ、ゆっくりするにはあまりにも時間が短いので、基本的には使わないでいいかと思いますね。
このタイミングで水分をとることは、後半、トイレに行きたくなるリスクにもつながりますしね・・・。
そして終演 拍手のタイミングは?いつまで拍手を続けるの?
演奏が終われば、もちろん、拍手が起こります。
ヨーロッパの演奏会なんかだと、ひどい演奏だと、拍手がこなかったり、ブーイングがきたり、というのもあるそうですが、日本では大体、良くても悪くてもちゃんと拍手がわきおこります。
知っている曲であれば感情に従って拍手をすればいいですが、初めての場合は、まわりに合わせましょう。
クラシックの曲の中には、終わったと見せかけて終わってない、とか、第3楽章がハデにおわったあとで、静かな終楽章はじまる、みたいなのもあるからです。
終わってないのに拍手が始まってしまうと、演奏者も聴衆も白けきってしまい、良い演奏会が台無しです。
静かに静かに消え入るように終わる曲の場合は、音が完全になくなって、静寂を十分に味わってからの拍手が求められます。
指揮者がゆっくりと指揮棒を下ろし、止まってた呼吸を思い出した、ぐらいのタイミングから、ポツッポツッと拍手が始まり、その後で大拍手に変わる、というパターンです。
最後の音がまだ残ってるか残ってないかのタイミングで、待ちかねたような拍手が起こると、残念な気がしますね。
初めての場合は、とにかく、拍手をするタイミングは、まわりの人々に合わせるようにしましょう。
僕が昔、学生オーケストラの演奏を聴きに行ったとき、チャイコフスキーの交響曲第6番の第3楽章が終わった瞬間に、会場中が大喝采になったのに驚いたことがあります。
学生オーケストラだと、聴衆の大半が聴きなれてない、とかで、そういうこともおきますね。連鎖反応で会場中が間違う、みたいな。とくにチャイコフスキーの6番はそういう曲ですし。
良い演奏のときは、拍手は本当にいつまでも鳴りやみません。
その間、指揮者が何回も出たり入ったりするのですが、惜しみない拍手が続きます。
その時、急いでいる人は、拍手が鳴り続けてる間に会場をあとにする、ということもあります。
特に、クロークに物を預けている人は、早く出た方が、待たずに受け取れますからね。終演後はクローク待ちは本当に時間がかかりますから。
でも、時間に余裕がないのでなければ、最後にステージの照明が消えて、団員が全員ステージから引き揚げて、客席の電気がつくまで、拍手しながら余韻を楽しむことをおすすめします。
拍手が鳴りやまなければ、アンコールやってくれることもありますし、指揮者が一人で拍手喝さいを受けに出てくることもあります。
まとめ クラシックコンサートは初めてでも安心して楽しめます
クラシックのコンサートに行ったことがない人でも、何も心配せず、聴きに行って大丈夫、ということを書きました。
音を出さない、という、たった一つのルールさえ守れば、あとはゆっくりくつろいで、ちょっといつもとは異なる優雅な時間の過ごし方ができます。
ぜひ、クラシック音楽を楽しむ、という、自分の世界を広げるべく、門を叩いてほしいと思います。
今回の記事は、行く、というところからのスタートですが、その前に、どんなコンサートを選べばいいの?とか、どこの座席がいいの?とかもあるかと思います。
そんな方は次の記事をご参照ください。
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では、またっ!
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