オーボエって、名前は聞いたことあるけどどんな楽器かよく知らない、という人、多いですよね。
また、音を聴いて、「あ、この音好き。」と思う人でも、オーケストラの中でのオーボエの素敵な使われ方をご存じない方も多いと思います。
そこでオーボエの魅力を耳から知ってもらうために、オーボエソロのメロディが美しいクラシック名曲を10こ、選んでみました。
ごあいさつが遅れました。こんにちは、みどるさなぎです!
オーボエってどんな楽器かご存知ですか?
どこかで聞いたことのある楽器名ではあるんだけど、想像できない、って人多いですよね?
楽器を構えたときの見た目は、クラリネットみたいな木管楽器ですよ。
クラリネットは楽器の先端(ベル)を下に向けて吹きますが、オーボエはやや前むきです。
クラリネットサイズの木管楽器なのに、不思議なことに、「知ってる知ってる。あの大きい楽器でしょ?」とか言われること、割と多いんですよね。
(何をイメージしてるのか・・・? チューバ?)
「オー」のせいなのか?(「大(おお)」?)それとも「ボエ」のせいなのか?(「ぼえ~~~っ」?) ←意味不明
姿かたちをイメージできない人でも、音色を聞くと、「あ、この音、知ってる。好き」って言ってくれるかもしれません。(勝手な希望)
ということで、今回はオーボエの魅力を耳から知ってもらうために、オーボエソロのメロディが美しいクラシック名曲を10こ、選んでみました。
これ、10こだけ選ぶの、至難の業。だって、あの曲にもその曲にも、ホントに美しいオーボエソロのメロディが入っているんだもん。
オーボエってありとあらゆる曲で、一番おいしいところをもっていきますからね。
心を鬼にして、無理やり選んでしまいましょう!
この記事はこんな方におすすめ ・オーボエってよく知らないけど聴いてみたい ・白鳥の湖は聴いたことあるけど、他も聴いてみたい。 ・あの素敵な音色が、他にどのように使われてるか聴いてみたい ・オーボエの演奏にチャレンジ!有名なフレーズを一つ吹いてみたい。
チャイコフスキー 白鳥の湖 第2幕 情景
一番に挙げるのはまず、これをおいて他にはないでしょう。
「クラシックはほとんど聴かない!」という人でも、絶対知っている曲です。
魔女の呪いで白鳥に姿を変えられてしまった悲しい乙女を象徴する、はかなげなメロディをオーボエが一手に担って演奏します。
オーボエの切ないメロディから始まったかと思うと、いきなり金管が入ってきて同じ旋律を強烈なパンチで展開。
2つ目の主題を弦楽器が迫真の総奏で盛り上げたあとは、トロンボーンも含めた全オーケストラのダイナミックで鬼気迫る下降音型。
爆発的に和音を連続させたあとに急激にデクレッシェンドし、最後にオーボエとフルートが最初の動機を一瞬だけ奏で、コントラバスが同じ動機をなぞって消えるように終了。
わずか3分弱の非常に短い曲の中でここまでやるって、チャイコフスキー、すごいです。
「私、これ、好き!」という人は、ハイライト版もいいですが、ぜひ、バレエの全曲を聴いてみてください。
オーボエどうこうだけでなく、とても素敵な曲がたくさんちりばめられているのですが、オーボエ好きとしては特に、一番冒頭の、前曲をおすすめします。
幕が開く前のホントのホントの冒頭部分、しーんと静まった中から、オーボエの哀しげな調べがしっとり聞こえてきて、聴衆を劇に引き込んでいきます。
ここのオーボエ、もう本当に最高だと思います。この使い方をするチャイコフスキーって、ホント天才!
このCDは、ナショナルフィルハーモニー管弦楽団のの録音ですが、縦の線をそろえる、とかそういう丁寧さではなくて、情熱とダイナミクスを大事にしている、心に響く演奏です。
このオーケストラのオーボエは、僕のとても好きな音色です。
余談ですが、オーボエの真骨頂である「しっとり」の他に、オーボエのコミカルな一面も知っておいてほしいです。
第2幕の「四羽の白鳥の踊り」も、短い曲ですのでぜひ楽しんでみてください。
マスカーニ カヴァレリア・ルスティカーナ 間奏曲
この曲は、ほぼ弦楽曲です。
なにしろ、オーボエ以外の木管楽器とオーボエの2ndは、ずーっと待って最後の一音の和音だけ。しかもピアノ3つの超弱音(ピアニッシシモ)
金管や打楽器はもちろん出番なし、です。
そんな中、オーボエの1stだけが、弦楽器の呼びかけに呼応するかのようなフレーズと、弦楽器とのユニゾン(同じ音を並行して演奏する)を美しく切なく奏でるのです。
カヴァレリア・ルスティカーナというのは、もともとマスカーニというイタリアの作曲家が書いたオペラなのですが、そのオペラ自体が国内で演奏されることはあまりなく、もっぱらこの間奏曲だけが独立して演奏されます。
美しいメロディとは裏腹に、オペラのストーリーは、三角関係のもつれからの決闘と殺人、という、生々しいものです。
オペラのストーリーを知ってしまうと、美しいメロディも、哀しいメロディに変わって聴こえてくるから不思議です。
ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
第2楽章が葬送行進曲の形式になっているのですが、低音の弦楽器の支えの上に、オーボエが短調の物悲しくも荘厳なメロディを奏でていきます。
曲はこのあと、オーケストラ全体が引き継いで発展させてゆくのですが、そのあと、曲調が長調に変わって少しの光明をみせる箇所があります。
この部分のテーマも最初にオーボエが導いて美しい雰囲気を作っていきます。
長くて美しいソロ、ということでいうと、第2楽章なのですが、4つの楽章のすべてにわたって、ポイントポイントで、オーボエが素敵な登場の仕方をします。
特に第3楽章冒頭の躍動感あふれるテーマの導出や、第4楽章で曲の最終部(コーダ)に導く部分の朗々とした歌い上げなど、オーボエ吹きならずとも溜息をつくところです。
ベートーヴェンの曲は、聴けば聴くほど良さがわかってくる気がします。
特に木管楽器にどうしても注目してしまう僕らとしては、第1番から第9番(合唱付)まで、どの曲のどこをとっても、美しいハーモニーやメロディのの連続で、心地いいことこの上ない曲たちです。
おっと、オーボエソロを紹介する記事のはずが、ベートーヴェン賞賛記事になってしまった・・・。
ブラームス ヴァイオリン協奏曲
オーボエソロの紹介記事なのに、なぜヴァイオリン?と思われるかもしれません。
実はこの曲の第2楽章、主役であるはずのヴァイオリンを舞台のど真ん中に立たせたまま、それを差し置いて、2分程にもわたって延々とオーボエがテーマを奏でるのです。
しかし、この天国のようなメロディ。その美しいことといったら、生唾ものです。
そのままこの第2楽章が終わってもいいんじゃないか?と思えるぐらいなのですが、さすがにそれはそうもいかない。
冒頭のオーボエソロと同じメロディをなぞる形で、次にヴァイオリン独奏が出てきて、それらを盛り上げてゆくのです。
余談ですが、ブラームスって、他でも、ソロ奏者を平気で長い間待たせるんですよね・・・。
ソリストは舞台の上で、間が持たなくて困る、というのを聞いたことがあります。
シューベルト 交響曲第8番 未完成
2つの楽章から成る楽曲なのですが、どちらの楽章も木管楽器をとてもうまく使っています。
第1楽章の最初に出てくる主題である、オーボエとクラリネットのピアニッシモのユニゾン(同じメロディを複数の楽器で奏でる)も切ない感じでとてもいいのですが、無理やり選ぶとしたら2楽章のソロが僕は好きです。
そもそも、どっちかを選ぶ、とかはおかしいのですが、とっておきの1フレーズを紹介する、という趣旨なのでご容赦を。
この第2楽章は、弦楽器の天国のようなメロディから始まるのですが、66小節目からクラリネットによる短調の寂しげなメロディが入ってきます。
オーボエを次にそれを受け次ぐのですが、そのときには長調に転調し、なんだか明るい望みが垣間見えるような感じになります。
ずっと先に行って、207小節目になると、今度はクラリネットとオーボエが入れ替わって、最初にオーボエが短調のメロディを切なく奏でます。
それを引き継いで、そのあと、クラリネットが長調に転調したメロディを奏でていきます。
これらの美しすぎるメロディを書ききったことで、シューベルトは、(通常の4楽章構成ではなく)もう2つの楽章だけでいいや、としたのではないか?とも思います。
チャイコフスキー 交響曲第4番
曲全体としては、爆発力をもった交響曲なのですが、これの第2楽章は、しっとりと物悲しいオーボエの長いソロから始まります。
先立つ第1楽章が、とにかくエネルギーが凄く、怒涛のような金管の轟音や、押し寄せて畳みかけるリズム。しかもこの楽章、長いんです。
この第1楽章が終わった時には、聴いているほうも、ゼイゼイハアハア言っているような状態(イメージ)です。
ここに、第2楽章の冒頭では、オーボエ1本で延々と、物悲しいメロディを奏でてゆきます。
弦楽器がピッツィカート(弦を指でポンッポンッと弾く奏法)で音を刻んでいるだけで、本当に一人で背負っている感じです。
メロディラインをチェロに引き継ぐまで、21小節にもわたるソロですが、このもの哀しくしっとりとしたメロディは、やはりオーボエ以外では考えられないと思います。
ブラームス 交響曲第1番
ブラームスが24年という歳月をかけて、43歳のときに完成させたこの交響曲は、苦悩に満ちた重苦しい第1楽章から始まります。
第2楽章は、緩徐楽章といって、緊張を解いてゆったりとした構成をとっているものです。
しかしこの曲では、その第2楽章でも、最初の2小節こそ長調で始まるものの、3小節目には短調に暗転して、憂いに戻ってしまいます。
その第2楽章にあって、17小節目から出てくる、オーボエの甘く美しいソロによって、音楽は優しさに導かれていきます。
楽章が終盤を迎えるころ、この同じメロディはもう一度、楽器構成を変えて登場します。
90小節目から、ヴァイオリンの1stのソロ(コンサートマスター)とユニゾン(同じ音を複数の楽器で演奏するもの)で奏でます。
前半のソロはオーボエの独壇場ですが、この、もう一度出てくる方は、主役はコンサートマスターで、オーボエの役割は音色を添えるもの、と僕はとらえています。
心憎いことをやりますわ。ブラームスさん。
なお、1回目の美しいソロのあと、曲調が変わったところで、オーボエの躍動的なソロが一つ、登場します。
このソロによって、ゆったりから動きのあるものへ、曲の雰囲気を一変させて聴衆を惹きつけてゆくのですが、このソロ、吹くと結構難しい。
もともとシャープが4つもあるのに、臨時記号がこれでもかと出てきて、訳わかんなくなります。
ま、そんなこと言ってるの、素人だから、にすぎませんが・・・。
ベートーヴェン バレエ音楽 プロメテウスの創造物
よく、古典(モーツァルトあたりの年代)序曲で、導入部がゆっくりのテンポで聴かせて、それを和音で終わらせた後に、一転して軽快なアップテンポになる、という定石があります。
そういった作品の中では、導入部の「しっとり」の中でオーボエを歌わせ、アップテンポになったところでも、オーボエの機動性を使って楽しい音楽を作っていく、ということがよく行われます。
このベートーベンの、プロメテウスの創造物 でも、最初のアダージオ(ゆっくりテンポ)にとても美しいオーボエのソロのメロディがあるため、ここに挙げました。
こういった構成で、導入部のオーボエが美しい曲としては、他には、ベートーヴェンの「序曲 アテネの廃墟」や、モーツァルトの「序曲 コシファントゥッテ」などがあります。
ヨハン・シュトラウス こうもり序曲
ヨハンシュトラウス(息子の方)が書いた、オペレッタ(小歌劇)の序曲です
一番のサビである、弦楽器の軽快なウィンナワルツの部分は、あまりクラシックに馴染みのない方でも聞いたことがあると思います。
そこの部分はオーケストラにまかせておく、として、オーボエファンが最も楽しみにするのは、そのウィンナワルツが終わったあと、全体がデクレッシェンドしたあとに登場するゆっくりしたソロです。
このメロディは、オペレッタの中では第1幕の中盤で、主人公の妻が、「私はあなたなしで8日間も過ごさなければならないのね」と哀愁を込めて歌う美しいメロディをとってきています。
オペラやオペレッタの序曲は、劇中にでてくるメロディのいいところをひっぱってきて、暗示的に劇が始まる前に示しておく、ということがよくあります。
尚、この8日間、というのは、夫が禁固刑に服さないといけない期間を言っているのですが、このオペレッタはそこから想像するような悲しかったりしんどかったりする作品ではありません。
盛大にふざけたストーリーです。最後は、それまでの巧妙な騙しあいも、妻が不貞になりそうなのも、「すべてシャンパンのせい」と歌って、終わらせてしまいます。
リヒャルト・シュトラウス 交響詩 ドンファン
リヒャルト・シュトラウスの交響詩です。
18分程度の曲の中で7分目あたりから約2分半ほどの長いソロがあります。
リヒャルトシュトラウスは音が分厚く、好みによっては、ちょっと重たすぎて苦手、という人もいると思います。
乱暴な言い方すれば、「やかましいねん!」っという・・・・。
しかし、じゃんじゃん大音量で鳴りつづけている(と感じられる)曲の中に、ときどきハッとするような美しいハーモニーであったり、メロディであったりが出てきます。
このギャップがまたたまらない、という人もいます。(僕もその一人です)
この、ドンファン、という曲の、オーボエソロが出てくるところも、まさにそういうところ。
この調べのイメージを言葉で言うなら、「妖艶」というのがぴったりです。
ドンファン、という題材そのものが、イロモノとも言えるものなのですが、そのストーリーの中での、ドンファンの誘惑に負けて女性が・・・・という部分になります。
僕は学生の頃、先輩に、「オーボエ吹きはスケベやないとあかん」と教えられてきました(?)
この曲のソロを聴いていると、ホントにそんな気がしてきます。
ソロの部分に注目して聴く、ということであればいいのですが、他の部分で「ちょっとリヒャルトシュトラウス苦手だな」という人は、ソロだけ聴いたら離れましょう。
(無理に好きになろうとしたり、頑張って聴かなくても、そのうち良さがわかってくる・・・かも・・・?)
実は、リヒャルトシュトラウスには、とても素敵で有名なオーボエ協奏曲があります。
作曲家が晩年に近づいたころに書き上げた曲なのですが、僕はこういった、やや編成の小さい、曲のほうが好きです。
ほかにも、ソプラノを中心としたとても素敵な歌つきの曲とかありますよ。
ともあれ、この「ドンファン」にでてくるオーボエのソロは、美しくせつなく、リヒャルト・シュトラウスの「美」の部分を遺憾なく発揮しています。
おわりに
オーボエソロが優雅で美しいクラシック名曲を10こ、選んでみました。
どれか、気になった曲があれば聴いてみてください。
別記事で、おすすめのオーボエ協奏曲も紹介しているので、もしよければ見てくださいね。
今回ご紹介した曲の楽しみ方はいろいろです。
- もっともっとオーボエの美しい曲を知りたい
- オーボエだけでなく他の楽器もすてき、知りたい
- 同じ曲を違う演奏者でも聴いてみたい
- 聴くだけじゃなくて、自分でもこの美しいメロディを奏でてみたい
素敵な曲を聴くことで、オーボエに興味を持ってくれて、「自分で吹くのにもチャレンジしてみたい!」と思う方がいたら、僕もオーボエ吹きとしてとても嬉しいです。
興味をもった方は、次の記事もぜひ読んでみてください。
リンク:オーボエを始めたい!チャレンジを迷う大人(初心者)の挑戦を応援したくて書いたブログ
また、他の木管楽器に関する記事もあります。
よかったらこちらもご覧ください。
では、またっ!
コメント