日系の教室式の英会話学校ではあまり見かけませんが、比較的リーズナブルな英会話システムではフィリピン人講師が多くいます。
でも、「フィリピン人講師って本当に大丈夫?」と、心配している人も多いように思えます。
心配の理由は、例えば発音、なまり、英語の能力、講師の質、と多岐にわたるようです。
単刀直入に言いますと、この質問に対しての答えは「フィリピン人、問題なし!」です。
むしろ、ネイティブスピーカーもいいけど、場合によってはフィリピン人の方が適しているのでは?と思うぐらいです。
この記事では、その理由を示していきます。
ごあいさつが遅れました。こんにちは、みどるさなぎです!
この記事を書いているのは?
長く英語学習してきたけど、まだ(特に会話が)苦手。いまも勉強中、という50代です。
- 学生時代は、それなりに英語は得意と自負。
- しかし大学卒業後、企業入社してすぐにTOEICを受検。515点しか取れず、へこむ。
- NOVA、Beritzといった有名どころの英会話学校(外国人講師)も経験。
- 通信教育のTOEIC点数アップ講座の力も借りて、社会人25年目で、ようやく780点まであがる。
- その後も、ネット英会話の無料体験などいろいろやるも、リスニング力の伸びなさに嫌気がさして、勉強から遠ざかる。
- 最近なんとか再びやる気が芽生えてきたので、この春から学習再開。DMM英会話で毎日トレーニング中(現在約3ヶ月)。
最近は、語学留学先としても、フィリピン(セブ島とか)に人気が出ています。
また、留学でなくとも、海外在住の講師とネットでつないでマンツーマンで行う英会話システムはたくさんあります。
そのネット英会話だと、どの業者も、講師は特にフィリピン人が多いです。
日本とフィリピンでは時差が少なく、活動時間が合っているので、講師を確保しやすいという理由があります。
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もちろん、比較的安価で講師を集めやすい、という理由もありますね。
でも、いくら講師を集めやすい、といってもなんでもかんでも集めているわけではありません。
フィリピン人講師が適任、という理由がちゃんとあります。
では、紹介していきましょう。
フィリピン人の英会話能力はピカイチ!!
心配の理由は、次の3つなのではないでしょうか?
- 英語能力 が心配
- 講師の質 が心配
- 発音、なまり が心配
まず、最初の英語能力についてです。
実は、フィリピンは、英語ネイティブの国々に劣らない、英語大国なのです。
フィリピンは英語大国
フィリピンは、アメリカ、インド、パキスタンに次いで、世界で4番目に英語が話せる人が多い国です。
さらに、英語が母国語であるアメリカを除けば世界第3位、という数値となっています。
インドやパキスタンは人口が多いことが効いていますが、フィリピンは90%以上の人々が英語を話せるという、すごい数字もあります。
フィリピン人にとっては英語は第2言語ですが、最低限の教育を受けてきた人であれば、英語力はネイティブに引けを取りません。
我々日本人から見ると、ネイティブと区別がつきませんね。
人々は映画館では、ハリウッド映画を字幕なしで楽しんでいます。
ショッピングやレストラン、ホテル、タクシーでも英語はほとんどの場面でしっかりと通じます。
街の看板やいろんな説明文書なども、英語で溢れています。
英語ネイティブの人が困らない国ランキングでの最上位です。
僕がこのまえフィリピン人講師に聞いた話でも、家の中の商品パッケージはほぼすべて英語で、子供も大人もそれに馴染んで生活していると言っていました。
フィリピン人の英語の歴史的背景
フィリピンは1700以上もの島からできており、さまざまな地域で多様に言語が発達し、その数は170にも及ぶと言われています。
「フィリピンの母国語 = タガログ語?」と思ってしまいがちですが、タガログ語は現地の言葉の代表的な一つにすぎません。
170の母国語が混在している、というイメージです。
このような島集合の国では、多様化した言語同士の理解が難しく、コミュニケーションをスムーズにするために、1900年頃からのアメリカ統治のもと、英語教育が導入されました。
そのためアメリカから独立する1946年までに、多くのフィリピン人が英語を話せるようになりました。
その後も、英語教育を重んじたフィリピンが国策として力をいれたことも、英語が広まったひとつの要因となっています。
尚、現在のフィリピンの公言語は、タガログ語をベースに整備されたフィリピン語と、英語 とされています。
ビジネス英語能力
国ごとのビジネス英語能力の高さを示す「ビジネス英語指数」というものがあります。
米国カルフォルニアにある、Global English社が公表しているBusiness English Index(BEI)と呼ばれる国際指標です。
このBEIは世界78ヶ国、13万人以上を対象に各国の人々のビジネス英語力を調査したもので、日本も参加しています。
BEIでは、ビジネス英語力をBEGINER(1~3)、BASIC(4~6)、INTERMEDIATE(7~8)、ADVANCED(9~10)の10段階に区分しています。
2013年の調査結果では、フィリピンのBEIは7.95となっています。
この数字は、教育水準が高いヨーロッパ各国や、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど英語を母国語とする国すらも抑えて、世界第1位の成績です。
アメリカやイギリスなどのBEIが低いのは、これらの国には移民など、ネイティブスピーカーではない人々も含まれているためです。
この好成績からも、フィリピンが、国全体としていかに英語能力の高い国であるかがわかります。
ちなみに、日本は4.29(アジア最下位レベル)だそうです。
講師の質は? ⇒ 実はフィリピン人は講師向き?
僕の個人的意見としては、英語だけでレッスンをする場合の講師としては、フィリピン人が一番だと思っています。
もちろん、個人差はあるので一概には言えませんが、国別でざっくり言うと、世界のどの国の講師よりも向いているのでは、と思います。
英語ネイティブの国の人よりも、という意味です。
自己紹介で書いたように、僕はいま、”DMM英会話”で、毎日英会話レッスンを受けています。
ここの講師は、世界中のいろんな国の人がいます。
最初のうちはいろんな国の講師を予約していましたが、最近は、他の国の人が取れる時でも、もっぱらフィリピン人を選んでいます。
とにかく明るい人柄
フィリピン人は概して、みんな明るく陽気です。
僕の住む街でも、フィリピン人労働者とその家族たちをよく見かけるのですが、みんな日本人よりよほど楽しそうです。
道端に花があれば、その前にみんなで集まって記念撮影したり、アパートの駐車場で住民同士バドミントンをしたり・・・。
とにかく、日々よく笑って、生活を楽しんでいる印象ですね。
そういう国柄の人ですから、フィリピン人による英会話のレッスンも、おのずと陽気な雰囲気に満ちます。
だから、そういう意味で、レッスンを受けることのストレスは、とにかく少ないです。
そういえば、かつて、日本の大手英会話学校に通っていたときは、講師のことでいろいろ困惑することがありました。
- 騒がしいばかりで、生徒側の空気を読まないアメリカ人。
- 絶対に表情を崩さず、とっつきにくいイギリス人。
- シャイで自分からしゃべろうとせず、うつむきがちなニュージーランド人
- なんか知らないけど機嫌が悪い南アフリカ人。
まあ、一癖も二癖もあるヤツらでした。
かつては、なんで金払っている生徒の側が、レッスンのあいだ中、こんなに神経使わないといかんのだ!と、憤ったことも・・・。
講師にふさわしい水準の人だけ
一概にフィリピン人と言っても、いろんな人がいるのはもちろんです。
善人もいれば悪人もいるし、貧富の差も激しく、貧しい層はとことん貧しいです。
日本の地方都市でよく見る、出稼ぎに来たフィリピン人も、どちらかというと裕福ではない層の方が多いです
なので、僕たちの方で、勝手にフィリピン人のイメージを、その階層で固定してしまっているかもしれません。
しかし、僕らが英会話を教わるのは、フィリピン社会の最下層の人、ということはありません(当たり前)。
階層差別的なことではなく、講師としてやっていける人だけが人選されている、ということを言っています
大学をはじめとする高等教育を受け、その上で英語を教えるスキルをトレーニングも受けた人が、講師として登録されています。
もちろん、面接などで、人間性も見た上で、講師に向かない人は除外されています。
自分も英語の学習経験がある
日本よりも圧倒的に、英語に触れやすい環境とはいえ、フィリピン人は私たち日本人と同じく、学習によって英語を身につける人たちです。
教育機関での英語教育は、小学校の時からはじまります。
そして、進度がすすむと、複数の科目では英語を用いての授業に切り替わるため、授業についていくために、彼らは必死で英語能力を高めます。
さらに、有名大学に進学したり、給料が高い企業で働くには、より高い英語の力が求められるので、一生懸命英語の勉強を続けます。
そのようにして、多くのフィリピン人は高い英語能力を身に着けていきます。
そのことは、必然的に、自分の経験を元に、英語が話せない人たちの身になって考えることができる、ということにつながります。
単語や文章の難易度の大小についても、実感がある、ということですね。
レッスンをうけていて、わからない単語や表現があったとき、彼らは実に上手に説明をしてくれます。
ネイティブの人では、こうは説明できないんじゃないか?と思うことがしばしばです。
もちろん、ネイティブの講師も訓練を積んだりして、高い指導能力をもった人はたくさんいるはずなので、一概にはいえませんが。
講師になるための訓練を受けている
英語が話せることが珍しい訳ではないフィリピンにおいて、英会話講師になる、ということは、その点ではエリート中のエリートです。
彼らが語学学校の講師になるためには、もちろん、英語の難しい試験に合格しないといけません。
中途半端な英語力では落とされます。
フィリピン人にとって英語講師は人気の職業なので、競争率は高いそうです。
また、発音の訓練をしっかりと受けることで、ネイティブと変わりないレベルの綺麗なアメリカ英語を話す講師も多いです。
僕が所属しているDMM英会話でも、ちょっと癖のある発音をする人もなかにはいますが、その一方で、まったくフィリピンを感じさせない人も多いです。
教え方やレッスンの進め方の訓練も、相当に受けているようです。
他人事のように、「上手いなあ」と感じるときもあります。
日本人の気質なんかも良く勉強していて、こちらが調子いいときも悪い時も、うまくレッスンを進行させてくれます。
ほめ上手、おだて上手なのも、もしかしたら、そのように訓練されているからかもしれません・・・(?)
そういえば、講師がこちらの名前を呼ぶときに「○○○サン」と呼ぶので、気になって聞いてみたことがあります。
すると、その講師は、DMMからそう指導されている、と言っていました。
講師は若い人が多いので、年上の生徒を呼ぶときの注意としていわれているそうです。
その人は、若い人相手の時は、さん付けと付けないのと、どちらがいいか聞く、とも言っていましたよ。
発音・なまりは大丈夫?
多くの日本人は、きれいなネイティブの英語発音(と思われているもの)にあこがれる傾向があります。
そのため、講師のフィリピン人の英語になまりがないかどうか、また、それが伝染ってしまわないかを、とても心配するようです。
確かに、フィリピン人ならではの癖がついた英語発音というのは、人にもよりますが、あることはあります。
しかし、それは、困らずに意思疎通ができる会話レベルの中で、個人差による発音の差異にすぎません。
英検の試験問題のCDなどで、模範的な発音を聞きなれていればいるほど、ちょっとでも癖があると、違和感を感じるのもわかりますが。
でも、ちょっと、多くの日本人がきれいな発音とやらにこだわりすぎている気はしますね。
例えばアメリカ本土であっても、日本人がよくイメージするようなアメリカ英語を全員が話しているわけではありません。
東海岸と西海岸でも、北部と南部でも発音が異なりますし、同じ東海岸でもボストン訛りとニューヨーク訛りとかもあります。
また、ヒスパニック系、アジア系、黒人系、といった訛りもあります。
そして、ビジネスの世界ではいまや、中国語訛りやインド訛りの英語は、そこかしこで普通に使われています。
そもそも、イギリス英語、アメリカ英語、でも全然違うのですから、「これが正しい英語」と決めること自体がナンセンスなのかもしれません。
英語を使うビジネスなどをしていると、さまざまな国からくる人と、たとえ多少訛っていても、意思疎通ができる能力は必ず求められます。
そもそも、どれだけ僕らが「正しい英語」をめざしたところで、ネイティブからみたら ”日本訛り”なのでしょうしね。
要はいろんな発音があることを知り、慣れればよいし、それを避けては通れないのでしょう。
僕らが理想だと思う発音の英語を聞く手段はほかにいくらでもあるのですから、そこはあまり気にせずに、まずは英語力をアップさせることを考えたらいいと思います。
その他、フィリピン人講師のメリット
勝手に猛スピードでしゃべり続けない
ネイティブが話す英語のスピードは速く、1分間に500もの単語を使うこともあるそうです。
しかも、アメリカ英語の場合、単語同士を繋げて話すので、英語学習者にとっては聞き取りづらいことこの上ありません。
ゆっくりしゃべってくれ、と頼んでも、単語同士繋げたままゆっくりにされて、よけいにわからなかったり・・・・。
フィリピン人の英語はネイティブほどは早くないし、わからない、といえばゆっくりわかるように区切ってくれます。
ネイティブの英語は聞き取れないけど、フィリピン人の英語は聞き取れるという経験をした人も多いかもしれません。
自らはスラングをつかわない
ネイティブがよく使用するような言い回しやスラングに、フィリピン人が必ずしも精通しているわけではありません。
そもそも、スラングは、その地域地域で独自の発展をしているものも多く、聞いてわかれば便利ですが、自らどこででも使うものではありません。
気の利いたところで正しく使えれば、確かにカッコ良い場合もありますが、初心者向けではないですね。
変なスラングを、生半可に覚えるのは危険なので、英会話講師にはあまり使ってほしくないところです。
フィリピン人は、いわゆる、汚い英語や独特な言い回しを使わないので、世界どこでも通じる英語が学習できます。
フィリピン人以外を選んだ方がいいケースは?
フィリピン人講師がおすすめな理由を書いてきましたが、もちろん、おすすめしない場合もあります。
それは次のようなケースです。
英会話のスキルがまだ全然、という場合
言いたい事の半分も言えない、相手がどれだけゆっくりしゃべってくれてもわからない、という場合などです。
これは、フィリピン人だからどうこう、というのではなく、英語しかしゃべれない講師に習うのは無理がある、という意味です。
こういうときは、英語だけで無理にがんばろうとしても、沈黙の時間だけが過ぎていきます。
困った時には日本語の単語に置き換えて教えてくれたり、逆にこちらがどうしても出てこない英単語を教えてくれたり、というのが必要です。
また、文法を教えてほしい、と思うような場合も、英語だけでのレッスンは不向きです。
英語を構造から取り入れていこう、という、文法学習のスタイルと、とにかく聞きまくりしゃべりまくって身に付けていこう、という英会話のスタイルは全く異なるものです。
そして、文法を英語で教えられてわかるような人は、そもそも英会話レベルは相当高いものです。
英会話初心者の歯が立つようなものではありません。
この記事は、英語でレッスンが進行する英会話学校、であることを前提に書いていますが、日本人が日本語で教える英語学校ももちろん有意義です。
自分が必要とするのは何か、を良く考えて、最適なスタイルを選びましょう。
英語だけでレッスンを進める英会話学校に固執するのはナンセンスな場合もありますよ。
ネイティブのスピードを習得したい場合
先程、フィリピン人講師のメリットのところで、聞き取れないほど早くはしゃべらないから、ということを言いました。
逆に、ネイティブのスピードに慣れたい、というところのレベルまで到達しているなら、そこはやはり、フィリピン人ではなくネイティブの講師につくべきです。
いずれにせよ、ここまでくれば、もう初心者ではありませんから、自分のやりたい練習に見合った講師を選ぶ、ということです。
アメリカ英語に慣れたい場合
これもネイティブのスピードのところで書いたのと同じです。
アメリカ人の英語は、語尾と次の単語の先頭をくっつけたり、くっ付いたときに独特の変化をしたり、というのがちょくちょくあります。
それらが、早いスピードで話されると、もはや一つ一つの単語が何であるかすら、日本人にはわからなくなります。
最初のうちは、それを頭の中で分解して理解して、というのを、いかに高速でこなすか、という練習が要ります。
しかし、さらにもっと速い会話を理解しよう、ということになると、繋がった言葉そのものを、そういう塊りとしてとらえないと間に合わなくなります。
それには、慣れしかないので、ネイティブのアメリカ人が情け容赦なく高速でしゃべりまくる場に身をおいて、修行を積むしかありません。
クイーンズイングリッシュへの憧れがある場合
アメリカ英語と逆です。
イギリス人に言わせると、アメリカ英語は「間違い」だそうです。
いかにもプライドの高い人たちです。冗談みたいですが、本気でそういうイギリス人を複数知っています。
イギリス英語の方が威厳が合ってカッコいい、自分もああいう英語がしゃべりたい!
そういう方向性で行く人は、やはり、イギリス英語をしゃべる、イギリス人講師につくのがいいでしょう。
但し、イギリス人講師って、なかなか見つけるのが難しいので、そこはそのつもりで。
オーストラリア人とかニュージーランド人に習うのが早いかもしれませんね。独特の訛りはそれはそれとして。
まとめ フィリピン人英語教師はおすすめ!
英語学習をする際の講師として、フィリピン人はどうか?という疑問に対して、全然大丈夫!ということを述べてきました。
それどころか、フィリピン人講師はけっこうおすすめです、ということも述べました。
ただ、極論をいえば、英語にたくさん触れて、たくさん聞き、たくさんしゃべることが重要なだけです。
つまり、講師が何人か、というのは、重要度からすればその次の話です。
せっかく世の中にたくさんいるフィリピン人講師を、ただの不安だけで除外するのはもったいないと思い、この記事を書きました。
非常に優秀な彼らですから、うまく活用して、少しでも英語にたくさん触れ、スキルをあげていきたいものだと思います。
僕もがんばり中です。
一緒にがんばりましょうね。
では、またっ!
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